***
もう、二週間になります
……大丈夫ダイジョブ
何もしないんですか?
あの子の痛みはあの子のものよ。ひとにどうこうできるものではないわ
だけど! あなたは神ですよ?
神様だからって、全ての真理に到達した訳じゃないんだし、何でもできる訳でもないわ。私たちは、唯知っているの。知っていて、そうして祀られるだけなのよ
……。数日前、夢枕に立てずに帰って来られた使者様のもとを訪ねました
タンタンタンタン
失礼します。御帰りなさいませ。おかげんはいかがですか?
ご、ごめんなさい……わ、私がやるって言ったのに……(自傷)
! 何をしているのですかっ! まさか、普段からこんな事を?
だって……だって、こうしていないと苦しいんです。痛いんです。
……。クシ姫に、生前のことをちゃんとお話になってはどうですか? そうすれば、あの方はきっとあなたに示して下さいますよ?
そ、そんなのダメですよ……! あんな凄い人に、綺麗な人に、私みたいなのが身の上話をしたって、ただただ、つまらないだけですよ……
……では、自分と、話しませんか?
だ、だから、全然おもしろくなんてないんですよ
では、自分から話しましょう。
自分もつまらない人間でした。(回想の芝居開始)(主=ウー 顔隠す)
自分はごく小さな国に生まれました。そこで自分は心から尊敬する立派な方に仕えていました。身寄りのなかった賤しい自分を、村の片隅で膝を抱えて生きていくはずだった自分を、毛布で包んで連れて行ってくださったのです。腕の良い医者であった主は、ある日国王の目にとまりました。しばらくは裕
福な暮らしが続きましたが、息子が風邪をひいたと王に城へ呼ばれたある日、
向かっている道中に、大怪我をした子どもを治療したため、城に到着するのが少し遅れました。ところが暴君は腹を立て、優しい我が主を、いとも簡単に手を切り落とし、国から追放したのです。無論自分もついて行きました。
それまでに教わった多くの事を生かし、主を手伝って幾人もの人を助けて……。しかし、ある村に泊った日、我が主は自分を置いてどこかへ去ってしまいました。(ウェーコはける)(回想の芝居終了)
自分はその村で医者としてお世話になりながら、毎晩仕事の後に主の行方を捜しました。しかし、何年か経ったある日、遠くの街で主らしき遺体が川から上がったと噂に聞くまで、優しい我が主は見つかりませんでした。
(そで見る+音)主は、川で溺れかけている人を助けようとしたそうです。あの人は、一人になっても最後まで誰かを助け続けていたのです。
自分は、無力だと嘆く自分が本当に無力であることに、自身の存在を呪いました。普遍なんてありえない。確かなものなんて何一つありはしないのです
―― ……。 っ……
? 何故あなたが泣いているのですか?
だって……だって……! その人も一人だったけど、あ、あなたも、一人だったんでしょ……? 一人は――苦しいです
……あなたも、一人だったのですか?
私は……私は最初から一人――ううん、一個だった
私は生前、「人」ではなかった。
家族も居たし、友達もたくさんじゃないけどちゃんと居て、学校にも通っていた。不自由ない生活を送っていた、と思う。だから、本当に分からなかった。突然それが始まった時は……。(抽象な芝居開始)(皆で囲む)最初は、普段の何気ないやり取りだと思ってた。「あ、購買行くならついでにジュースも買ってきてー」(下がる 以降◆)そんな一言だった気がする。気が付いたら、終わってた。いや、始まっていたのかな。(◆)周りの子が次々と手のひら返して、家畜みたいな扱いで、家族はどうしてだか(◆)分かってくれなくて……。そうしてふと自分を見たら―― (はける)(抽象な芝居終了)私は一人きりで、それで、あぁ、人間じゃないんだなぁって……。同情されるのは簡単だ。哀れみを乞うのは簡単だ。やめることだって、簡単だ――そう思ったらなんか生きているのがバカバカしくなって―― それで、それで私は……
……
私の望みはそれほど大きすぎますか?私は、ただ、誰かと遊んだり、買い物をしたりしたかった。誰かとおしゃべりしながらお弁当食べたかった。誰かと女の子っぽこと、いっぱいしたかった。誰かと、誰かと……。誰かに「ありがとう」って……――
あ、や、やっぱり全然つまんない話しでしたね。なんか、ごめんなさいっ―― !
(手にぎったりとか)
申し訳ありません。以前、自分は何も知らなかったばかりに、とても無責任なことを言いました。努力しろなどと……大層なことを言っていたのは、自分の方でした。本当に申し訳ありません
そ、そんな、やめて下さい……! わ、私、初めてだったんです。あの時、怒られたの……。
―― 嬉しかったんですよ? ――
もう、二週間になります
……大丈夫ダイジョブ
何もしないんですか?
あの子の痛みはあの子のものよ。ひとにどうこうできるものではないわ
だけど! あなたは神ですよ?
神様だからって、全ての真理に到達した訳じゃないんだし、何でもできる訳でもないわ。私たちは、唯知っているの。知っていて、そうして祀られるだけなのよ
……。数日前、夢枕に立てずに帰って来られた使者様のもとを訪ねました
タンタンタンタン
失礼します。御帰りなさいませ。おかげんはいかがですか?
ご、ごめんなさい……わ、私がやるって言ったのに……(自傷)
! 何をしているのですかっ! まさか、普段からこんな事を?
だって……だって、こうしていないと苦しいんです。痛いんです。
……。クシ姫に、生前のことをちゃんとお話になってはどうですか? そうすれば、あの方はきっとあなたに示して下さいますよ?
そ、そんなのダメですよ……! あんな凄い人に、綺麗な人に、私みたいなのが身の上話をしたって、ただただ、つまらないだけですよ……
……では、自分と、話しませんか?
だ、だから、全然おもしろくなんてないんですよ
では、自分から話しましょう。
自分もつまらない人間でした。(回想の芝居開始)(主=ウー 顔隠す)
自分はごく小さな国に生まれました。そこで自分は心から尊敬する立派な方に仕えていました。身寄りのなかった賤しい自分を、村の片隅で膝を抱えて生きていくはずだった自分を、毛布で包んで連れて行ってくださったのです。腕の良い医者であった主は、ある日国王の目にとまりました。しばらくは裕
福な暮らしが続きましたが、息子が風邪をひいたと王に城へ呼ばれたある日、
向かっている道中に、大怪我をした子どもを治療したため、城に到着するのが少し遅れました。ところが暴君は腹を立て、優しい我が主を、いとも簡単に手を切り落とし、国から追放したのです。無論自分もついて行きました。
それまでに教わった多くの事を生かし、主を手伝って幾人もの人を助けて……。しかし、ある村に泊った日、我が主は自分を置いてどこかへ去ってしまいました。(ウェーコはける)(回想の芝居終了)
自分はその村で医者としてお世話になりながら、毎晩仕事の後に主の行方を捜しました。しかし、何年か経ったある日、遠くの街で主らしき遺体が川から上がったと噂に聞くまで、優しい我が主は見つかりませんでした。
(そで見る+音)主は、川で溺れかけている人を助けようとしたそうです。あの人は、一人になっても最後まで誰かを助け続けていたのです。
自分は、無力だと嘆く自分が本当に無力であることに、自身の存在を呪いました。普遍なんてありえない。確かなものなんて何一つありはしないのです
―― ……。 っ……
? 何故あなたが泣いているのですか?
だって……だって……! その人も一人だったけど、あ、あなたも、一人だったんでしょ……? 一人は――苦しいです
……あなたも、一人だったのですか?
私は……私は最初から一人――ううん、一個だった
私は生前、「人」ではなかった。
家族も居たし、友達もたくさんじゃないけどちゃんと居て、学校にも通っていた。不自由ない生活を送っていた、と思う。だから、本当に分からなかった。突然それが始まった時は……。(抽象な芝居開始)(皆で囲む)最初は、普段の何気ないやり取りだと思ってた。「あ、購買行くならついでにジュースも買ってきてー」(下がる 以降◆)そんな一言だった気がする。気が付いたら、終わってた。いや、始まっていたのかな。(◆)周りの子が次々と手のひら返して、家畜みたいな扱いで、家族はどうしてだか(◆)分かってくれなくて……。そうしてふと自分を見たら―― (はける)(抽象な芝居終了)私は一人きりで、それで、あぁ、人間じゃないんだなぁって……。同情されるのは簡単だ。哀れみを乞うのは簡単だ。やめることだって、簡単だ――そう思ったらなんか生きているのがバカバカしくなって―― それで、それで私は……
……
私の望みはそれほど大きすぎますか?私は、ただ、誰かと遊んだり、買い物をしたりしたかった。誰かとおしゃべりしながらお弁当食べたかった。誰かと女の子っぽこと、いっぱいしたかった。誰かと、誰かと……。誰かに「ありがとう」って……――
あ、や、やっぱり全然つまんない話しでしたね。なんか、ごめんなさいっ―― !
(手にぎったりとか)
申し訳ありません。以前、自分は何も知らなかったばかりに、とても無責任なことを言いました。努力しろなどと……大層なことを言っていたのは、自分の方でした。本当に申し訳ありません
そ、そんな、やめて下さい……! わ、私、初めてだったんです。あの時、怒られたの……。
―― 嬉しかったんですよ? ――
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SCREENPLAYについて
Author:秋花衣童
ここには自分が演劇用に書いた脚本を置いています。
まぁ、没ったからあげてるわけですが……
それでも感想なんか頂けると嬉しいですね(^_^;)
ここには自分が演劇用に書いた脚本を置いています。
まぁ、没ったからあげてるわけですが……
それでも感想なんか頂けると嬉しいですね(^_^;)
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