<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?><rdf:RDF xml:lang="ja"
	xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
  xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
  xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
  xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
  xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/">

<channel rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/feed">
	<title>SCREENPLAY - INDULGENZA</title>
	<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3</link>
	<description>indulgenza；イタリア語で気ままという意味</description>
	<dc:language>ja</dc:language>
	<items>
		<rdf:Seq>
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry44.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry43.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry42.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry41.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry40.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry39.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry38.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry37.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry36.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry35.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry34.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry33.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry32.html" />
					</rdf:Seq>
	</items>
</channel>

	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry44.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry44.html</link>
		
				
		<title>「よだかの星」（原作：宮沢賢治）</title>

		<description>（よだか、ひばり、お喋りの鳥は舞台上で…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ （よだか、ひばり、お喋りの鳥は舞台上でストップモーション）

ナレ　　　（単サス）
（天を指しながら）あれがカシオペア座。ポラリスはあれ。シリウス、プロキシン、ベテルギウス。冬の大三角をつくる星の一つ、ベテルギウスは今、急速に小さくなっていて、いずれは肉眼でも見えなくなってしまうそうです。星や星座には悲しいお話がつきものですが、私も一つ、天文に詳しい宮沢賢治の残した、命を激しく燃やす鳥の話しをしましょう。

ナレ　　　（本を開き）よだかは、実にみにくい鳥です。

ナレ　　　顔は、ところどころ、味噌をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。足は、まるでよぼよぼで、一間（いっけん）とも歩けません。

よだか　　（うずくまっていたところから、ゆっくり立ち上がり、よたよたと歩いてみる）

ナレ　　　ほかの鳥は、もう、よだかの顔を見ただけでも、いやになってしまうという具合でした。
　　　　　（はける）

ひばり　　！　よだか…。（さもいやそうに首を振りながら）はーあぁ、よだかに比べれば、私などよっぽどましだ。
　　　　　（そっぽ向いてはける）

お喋り　　ヘン。又出てきたね。まあ、あのざまをごらん。ほんとうに、鳥の仲間のつらよごしだよ。

お喋り　　ね、まあ、あの口の大きいことさ。きっと、かえるの親類か何かなんだよ。
　　　　　（笑いながらはける）

よだか　　おお、よだかでないただの鷹ならば、こんな生半可の小さい鳥は、もう名前を聞いただけでも、ぶるぶるふるえて、顔色を変えて、体をちぢめて、木の葉のかげにでもかくれただろう。

ガヤ　　　（袖から）
　　　　　よだかだ！
　　　　　醜いよだかだ。
　　　　　同じ鳥とは思えないね
　　　　　あいつ、鷹じゃあないんだって？
　　　　　あんな鷹を見た事あるかい？
　　　　　あいつの兄妹はなんだったか
　　　　　川せみと蜂雀
　　　　　川せみと蜂雀！？
　　　　　おい、よだかがどこかへ行くぞ
　　　　　醜いよだかがあっちへ行くぞ！

よだか　　（うつむいていたが、周囲の声に耳をふさぎ、やがてその場から飛び去るように羽を広げて舞台前方へ）

よだか　　私はヨダカ。鷹ではなくて、ヨダカ。弟の美しい川せみはお魚を食べ、宝石のような蜂雀は花のミツを食べる。私は羽虫をとって食べるのだ。それに私には、するどい爪もするどいくちばしもない。無暗（むやみ）に強い羽が風を切っても、鳴き声がいくらするどくても、私は鷹に似ているだけの、ヨダカ。それに……

（夕がた）
鷹　　　　おい。居るかい。まだお前は名前を変えないのか。

よだか　　鷹さん……

鷹　　　　随分お前も恥知らずだな。お前と俺では、よっぽど人格が違うんだよ。例えば俺は、青い空をどこまでも飛んで行く。お前は、曇って薄暗い日か、夜でなくちゃ、出て来ない。それから、俺のくちばしや爪を見ろ。そして、よくお前のと比べてみるがいい。

よだか　　鷹さん、それはあんまり無理です。私の名前は私が勝手につけたのではありません。神様から下さったのです。

鷹　　　　いいや。俺の名前なら、神様から貰ったのだと云ってもよかろうが、お前のは、云わば、俺と夜と、両方から借りてあるんだ。さあ返せ。

よだか　　鷹さん。それは無理です。

鷹　　　　無理じゃない。

よだか　　無理です。

鷹　　　　無理じゃない。そうだ俺がイイ名を教えてやろう。市蔵というんだ。市蔵とな。良い名だろう。そこで、名前を変えるには、改名の披露というものをしないといけない。

よだか　　一体何ですか、それは？

鷹　　　　いいか。それはな、首へ市蔵と書いた札をぶらさげて、私は以来市蔵と申しますと、口上を云って、みんなの所をおじぎしてまわるのだ。

よだか　　そんなのとはとても出来ません。

鷹　　　　いいや。出来る。

よだか　　出来ません。

鷹　　　　そうしろ。もし明後日の朝までに、お前がそうしなかったら、もうすぐ、つかみ殺すぞ。（よだかの周りをまわりながら）つかみ殺してしまうから、そう思え。俺は明後日の朝早く、鳥のうちを一軒ずつまわって、お前が来たかどうかを聞いて歩く。一軒でも来なかったという家があったら、もう貴様もその時はおしまいだぞ。

よだか　　だってそれはあんまり無理じゃありませんか。そんなことをする位なら、私はもう死んだ方がましです。今すぐ殺して下さい。
鷹　　　　まあ、よく、あとで考えてごらん。市蔵なんてそんなに悪い名前じゃないよ。
　　　　　（羽を一杯に広げてはける）

よだか　　一たい僕は、なぜこうみんなに嫌がられるのだろう。僕の顔は、味噌をつけたようで、口は裂けてるからなあ。それだって、僕は今まで、なんにも悪いことをしたことがない。あの時だって……
（暗転）
（よだかははける。舞台上にはめじろの赤ん坊）
（めじろの鳴き声）
（明転）

よだか　　おや、お前はめじろの……。ははあ、さては巣から落ちたのか。（赤ん坊を抱える）お前の家は……（辺りをきょろきょろ）

めじろ　　（袖から）坊や！
　　　　　私の大事な坊や。どこへ行ってしまったの。坊…（よだかに気付く）…や。よだかじゃないか！　一体何を抱えているんだい。（盗人から取りかえすように）返しておくれ！　

よだか　　私は、別に……

めじろ　　（嘲笑して）ふん。この子は私の子どもだ。いくら探したって、お前の仲間なんているもんか。さあ。早くどこかへ行ってくれ！

よだか　　……（悲しそうにうつむく）

めじろ　　……。ふん。
　　　　　（よだかが動かないのを見てはける）
（暗転）

よだか　　助けたのに、ひどく笑われたっけ。それにああ、今度は市蔵だなんて、首へ札をかけるなんて、つらい話しだなあ。
　　　　　…………っ。
　　　　　（飛び出すようにはける）

（舞台上ですれ違うようにナレ入る）

ナレ　　　（よだかを見送って）あたりは、もううすくらくなっていました。夜だかは巣から飛び出しました。

よだか　　（羽をはばたかせる）

（ＢＧＭあるといいな）
ナレ　　　雲が意地悪く光って、低くたれています。夜だかはまるで雲とすれすれになって、音なく空を飛びまわりました。
それからにわかによだかは口を大きくひらいて、はねをまっすぐに張って、まるで矢のように空をよこぎりました。小さな羽虫が幾匹も幾匹も、その咽喉にはいりました。
ナレ　　　からだが土につくかつかないうちに、よだかはひらりとまた空へはねあがりました。

よだか　　（ゆっくり姿勢を低くした後、また羽をはばたかせる）

ナレ　　　もう雲は鼠色になり、向うの山には山焼けの火が――

よだか　　真っ赤だ……。

よだか　　（夕焼けに心打たれた後、少し明るめに）私が思い切って飛ぶときは、空がまるで二つに切れたようじゃないか。（元気に飛ぶ）

ナレ　　　一疋の甲虫（かぶとむし）が、夜だかの咽喉にはいって、ひどくもがきました。よだかはすぐそれを呑みこみましたが、その時何だか背中がぞっとしたように思いました。
（照明暗く）
ナレ　　　雲はもうまっくろく、東の方だけ山やけの火が赤くうつって、恐ろしいようです。

よだか　　（さっきと同じ所を、怖がって見つめる）

ナレ　　　よだかは胸がつかえたように思いながら、又そらへのぼりました。
また一疋の甲虫が、夜だかののどに、はいりました。そしてまるでよだかの咽喉をひっかいてばたばたしました。
よだかはそれを無理にのみこんでしまいましたが、その時、急に胸がどきっとして、夜だかは大声をあげて泣き出しました。
（夜鷹の鳴き声）
よだか　　う、う……（苦しそうに）。

ナレ　　　泣きながら、ぐるぐるぐるぐる空をめぐったのです。

よだか　　（フラフラと舞台上をぐるぐる回る）

ナレ　　　ぐるぐる、ぐるぐる。

よだか　　ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕が今度は鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。
（少し回るのが早くなる）ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。
（はける）

ナレ　　　山焼けの火は、だんだん水のように流れてひろがり、雲も赤く燃えているようです。
　　　　　よだかはまっすぐに、弟の川せみの所へ飛んで行きました。
　　　　　（はける）

川せみ　　（眠気を払いながら出てくる）
　　　　　（遠くの山火事を見て）……燃えてるみたいだ……。

川せみ　　（よだかが来たのに気付いて）兄さん。今晩は。何か急のご用ですか。

よだか　　いいや、僕は今度遠い所へ行くからね、その……前一寸（ちょっと）お前に遭いに来たよ。

川せみ　　兄さん。行っちゃいけませんよ。蜂雀（はちすずめ）もあんな遠くにいるんですし、僕ひとりぼっちになってしまうじゃありませんか。

よだか　　それはね。どうも仕方ないのだ。もう今日は何も云わないでくれ。そしてお前もね、どうしても獲らなければならない時のほかは、いたずらにお魚を取ったりしないようにしてく
れ。ね、さよなら。

川せみ　　兄さん。どうしたんです。まあもう一寸お待ちなさい。

よだか　　いや、いつまで居てもおんなじだ。蜂雀へ、あとでよろしく云ってやってくれ。さよなら。
（暗転）
よだか　　さようなら。

ナレ　　　（椅子に腰かけるとか）

（薄暗く明転）
よだか　　（泣きながら入ってくる）

ナレ　　　よだかは泣きながら自分のお家へ帰って参りました。みじかい夏の夜はもうあけかかっていました。羊歯（しだ）の葉は、よあけの霧を吸って、青くつめたくゆれました。よだかは高くきしきしきしと鳴きました。

よだか　　掃除、終わった。体も洗った。羽や毛もそろった。よし……　！
　　　　　（はける）

ナレ　　　霧がはれて、お日さまが丁度東からのぼりました。

お日さま　（登場）

よだか　　お日さん、お日さん。どうぞ私をあなたの所へ連れてって下さい。灼けて死んでもかまいません。私のようなみにくいからだでも灼けるときには小さなひかりを出すでしょう。どうか私を連れてって下さい。

ナレ　　　行っても行っても、お日さまは近くなりませんでした。かえってだんだん小さく遠くなりながらお日さまが云いました。

おひさま　お前はよだかだな。なるほど、ずいぶんつらかろう。今度空を飛んで、星にそうたのんでごらん。お前は昼の鳥ではないのだからな。

よだか　　（おじぎを一つ）（ぐらぐらして床に沈み込む）
（照明　青地に）
（沈黙）（星が順に出てくる、ストップモーション）
ナレ　　　まるで夢を見ているようでした。からだがずうっと赤や黄の星のあいだをのぼって行ったり、どこまでも風に飛ばされたり、又鷹が来てからだをつかんだりしたようでした。

（ＳＥ　水滴）
（明転　少し青ほしい）

よだか　　（雫に気付き、起き上がる）

ナレ　　　もうすっかり夜になって、空は青ぐろく、一面の星がまたたいていました。よだかは空へ飛びあがりました。

よだか　　（ゆっくり立ち上がりながら）今夜も、山やけの火は真っ赤だ……。
　　　　　（舞台上をゆっくりまわる）

（星もそれぞれその場で動く）

よだか　　かすかな照りと、つめたい星明かり……（幸せそうに）
　　　　　（もう一周まわる）

ナレ　　　よだかはもう一ぺん飛びめぐりました。

東の星　　そして思い切って西の空のあの美しいオリオンの星の方に、まっすぐに飛びながら叫んだヨダカ！

（星が回り、３つはしゃがむ）

よだか　　お星さん。西の青じろいお星さん。どうか私をあなたのところへ連れてって下さい。灼けて死んでもかまいません。

ナレ　　　オリオンは勇ましい歌をつづけながらよだかなどはてんで相手にしませんでした。

西の星　　（勇ましく歌い続けるモーション）

よだか　　（泣きそうな顔でくずれる、が、途中でふんばる）

北の星　　それから、南の大犬座の方へまっすぐに飛びながら叫んだヨダカ！

よだか　　お星さん。南の青いお星さん。どうか私をあなたの所へつれてって下さい。やけて死んでもかまいません。

ナレ　　　大犬は青や紫（むらさき）や黄やうつくしくせわしくまたたきながら云いました。

南の星　　馬鹿を云うな。おまえなんか一体どんなものだい。たかが鳥じゃないか。おまえの羽でここまで来るには、億年兆年億兆年だ。（云ってからよそを向く）

よだか　　（泣きそうな顔でくずれる、が、再び立ち上がる）
西の星　　それから又思い切って北の大熊星（おおぐまぼし）の方へまっすぐに飛びながら叫んだヨダカ！
よだか　　北の青いお星さま、あなたの所へどうか私を連れてって下さい。

ナレ　　　大熊星はしずかに云いました。

北の星　　余計なことを考えるものではない。少し頭をひやして来なさい。そう云うときは、氷山の浮いている海の中へ飛び込むか、近くに海がなかったら、氷をうかべたコップの水の中へ飛び込むのが一等だ。

よだか　　（泣きそうな顔でくずれる、が、再び立ち上がる）

南の星　　東から今のぼった天の川の向う岸の鷲（わし）の星に叫んだヨダカ！

よだか　　東の白いお星さま、どうか私をあなたの所へ連れてって下さい。やけて死んでもかまいません。

ナレ　　　鷲は大風（おおふう）に云いました。

東の星　　いいや、とてもとても、話にも何にもならん。星になるには、それ相応の身分でなくちゃいかん。又よほど金もいるのだ。

星　　　　（皆立ち上がる）

よだか　　（ゆっくり沈む）
（しかし唐突にゆっくりとあがり出す）

星　　　　（姿勢を低くする）

ナレ　　　夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。もう山焼けの火は――

よだか　　まるでたばこの吸殻だ。
　　　　　（大きくひらひらとはばたく）

ナレ　　　よだかはのぼってのぼって行きました。

西の星　　（奥に下がりながら）寒さにいきはむねに白く凍（こお）りました。

南の星　　（奥に下がりながら）空気がうすくなった為に、羽をそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。

ナレ　　　それだのに、ほしの大きさは、さっきと少しも変りません。

北の星　　（奥に下がりながら）つく息はふいごのようです。

東の星　　（奥に下がりながら）寒さや霜がまるで剣のようによだかを刺しました。

ナレ　　　よだかは羽がすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺん空を見ました。そうです。これがよだかの最後でした。

よだか　　（空を仰いだままストップモーション）

ナレ　　　もうよだかは

西の星　　落ちているのか、

南の星　　のぼっているのか、（かぶせぎみに）

北の星　　さかさになっているのか、（かぶせぎみに）

東の星　　上を向いているのかも、（かぶせぎみに）

ナレ　　　わかりませんでした。

星　　　　（はける）

ナレ　　　ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがってはいましたが、

よだか　　（すっと、床に小さく伏せてしまう）

ナレ　　　……たしかに少しわらって居りました。
それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。
（照明　青地）

ナレ　　　そして自分の身体がいま燐の火のような青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見ました。
すぐとなりは、カシオピア座でした。天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
（青地消えて、スポットを小さく）

ナレ　　　そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。（本を閉じ、星を見上げる）
（暗転）
（単サス）
ナレ　　　南の星は、シリウスを指すといわれています。１５７２年、カシオペア座に現れた超新星、チコの星は、シリウスの１０倍明るく輝いています。一説では、よだかの星とは、このチコの星のことだと言われているそうです。夜桜を眺める折には、北の空に燃え続けるこの星を思い出してみてください。
（暗転）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（おわり）

 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2014-02-16T11:30:32+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry43.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry43.html</link>
		
				
		<title>Ⅲ</title>

		<description>ジュン登場。
ジュ「姉さまー、マーチだ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ジュン登場。
ジュ「姉さまー、マーチだけ遅刻だそうよ」
ジェ「分かったわ。もういいわよ、フェブリオ」
ノバ「こりゃ、ホントにビックリ仰天だ」
カエ「いつか聞いた言葉だね」
ノバ「今回は褒めてんだよ」
ジェ「カエサル様。今後実質的にこの地の舵を取るのはあなたよ」
カエ「そんな事、私に言って大丈夫なのかい？」
フェ「今更運命は変わらない」
ノバ「ですてにーぃ」
ジュ「何何？　このギスギスした雰囲気は」
ジェ「ひとつ忠告よ。ノバ」
ノバ「……月桂樹は受け取るな」
カエ「王の証である月桂樹か？」
ジェ「それで、ひとつお願いがあるの」
カエ「……私でよければ」
ジュ「姉さま、ジュンが言うよ」
ジェ「ジュン……」
ジュ「ユリウス様。あなたはこの先、ローマの文化の改革にもきっと着手するわ。来世まで残る建築物とか、後世に伝えられる文献とか、あとは、暦の変更、とか」
カエ「それで？」
ジェ「日の数をいじるのはいいの。だけど、どうか月の数は触らないでほしい。特に、減らしたりなんか……」
カエ「それだけ？」
ノバ「それだけって、いのかよ」
カエ「全く問題ないよ。暦のことをどこで知ったのかは知らないけど、日数は少し手を加えたいとは思っていたけど、そこまで大きな変化はさせるつもり、ないよ」
フェ「そう、か」
ジュ「本当に、いいの？」
カエ「お安い御用さ。確かに果たそう」
ジェ「寛大なお心に感謝いたしますわ。今後の活躍をお祈りします」
ジュ「良かったね、ジェニー姉さま！」
ジェ「ええ、本当に」
ジェニー、ジュンはける。
フェ「姉さんの願い、かなえてほしい」
カエ「約束しよう」
フェ「……ありがとう」
フェブリオはける。
ノバ「兄さんが礼を言うとこ、はじめて見たぜ」
カエ「そうなのか？」
ノバ「ま、とにかくサンキュー！　じゃあな」
カエ「ああ」
ノバはける。
カエ「それ自体が神であり、世界が自身の霊魂を流出する、か……。なんだか、暖かいな」
カエ「アントニウス、その月桂樹は受け取れない。そうだな、カピトル神殿に捧げてくれ」
順に登場。
ジェ「変わる」
フェ「ローマが変わる」
ジュ「時代が変わる」
ノバ「世界が変わる」
ジェ「私たちの世界が、変わる」
フェ「元老院は制圧された」
ジュ「確固たるローマ支配権」
ノバ「訪れた共和政」
ジェ「民の拍手喝采が響く」
フェ「男は公言する」
ジュ「灰色の瞳が訴える」
ノバ「誇り高き王はうなる」
ジェ「ローマは声高らかに」
カエ「私の発言は法律とみなされるべきだ！」
カエサルはける。
４人、本を囲んで。
ジュ「月桂樹を持たない王様かぁ」
ノバ「王様じゃねえんだろ？」
フェ「共和政になったからね」
ジェ「でも、見て」
ノバ「共和政ローマは白昼夢にすぎない」
フェ「実体も外観も無く、名前だけにすぎない」
ノバ「ほんと、面白い奴だったよな」
ジュ「一体どこまで先を見ていたのかしら？」
フェ「暦の僕達にだって分からないよ」
ジュ「でもこのガリア戦記は面白いね」
ノバ「ほんとに何でもできちまうんだな、あいつ」
ジェ「だからこそ、彼はもっとブルトゥスやロンギヌスを警戒すべきだったわ」
フェ「ジャニュアリーは手厳しいな」
ジェ「あら、カエサルの死に際に突っ立っていたあなたは冷たいんじゃない、フェブアリー？」
ジュ「あんまり興奮しないでよ、二人とも。また吹雪いちゃうから」
ノバ「ジュンだってツンツンしちゃってよー。分けるような幸せどこにあるんだよ」
ジュ「花嫁たちに分けちゃってるからツンツンしてんのよ」
ジェ「ジュンは可愛いとこあるからいいのよねー」
フェ「え、ジュンてデレるの？」
ジュ「ばか？」
フェ「おいおい、ちょっとは僕を大事にしてくれよ。今年は閏年なんだから」
ノバ「新しい暦になってからフェブアリー調子に乗ってるよなー」
フェ「ノーベンバーまで酷いな」
ジェ「馬鹿なフェブアリー」
ノバ「あーあー！　なんか最近面白くねえなー！」
ジュ「うるさい」
フェ「カエサルが殺されてから特に何もないからねー……って！　何すんだよ、ノーベンバー！」
ノバ「何かむかついた」
フェ「はあ！？」
ジュ「うるさい」
ジェ「そうでもないみたいよ？」
３人「え？」
ジェ「新しい皇帝がアウグストゥスだとか」
ノバ「まじ！？」
ジュ「また分岐点？」
フェ「そういや、オーガストは？」
ノバ「あいつはオーギュストだろ？　フェブリオ兄さん！」
ジュ「また兄弟ごっこぉ？」
フェ「どうする？　ジェニー姉さん！」
ジェ「まあ、いいんじゃない？」
ノバ「よっしゃ！」
ジェ「先に行くわよ！」
ジェニーはける。
ジュ「あ、抜け駆けはずるいわ！」
ジュンはける。
フェ「ルールは、守らないと」
フェブリオはける。
ノバ「あ、待てよお前ら！　ったく……」
ノバ、何かに気付いて。
ノバ「！　じゃあな、お前も元気でな。俺も案外、面白えお前が好きだったぜ。またな」
ノバはける。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（終わり）
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2014-01-07T22:38:47+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry42.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry42.html</link>
		
				
		<title>Ⅱ</title>

		<description>カエ「私は、女神ウェヌスの子孫にしてユ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ カエ「私は、女神ウェヌスの子孫にしてユリウス氏族カエサル家が当主、ガイウス・ユリウス・カエサルだ。伯父上、父上、私は私という人間の能力を最大限に活かしているのでしょうか。同じ理想を目指す仲間の旗揚げに応えられなかった。質素な家でも、あの小さな平穏を手放せなかったのです」
順に登場。
ノバ「ならその小さな幸せを守ればいい」
フェ「心地よい暮らしに身を置けばいい」
ジュ「あの穏やかな庭に戻ればいい」
カエ「ああ、それはどれほど幸福なことだろう」
ノバ「気立てのいい奥さんだっている」
フェ「家族も増えるだろう」
ジュ「あの、美しい日々に戻ればいい」
カエ「美しい、日々……」
ジェ「あなた、見て。アレクサンドロス大王の像よ」（指をさす）
カエ「コルネリア。私は、アレクサンドロスの年齢に達したにも拘わらず何も成しえていない」
フェ「戻ればいい」
カエ「だが、あの日々は既に追憶の日々だ。もはや私の体は私一人のものではないのである」
ノバ「誇りを忘れるな！」
ジュ「誇りを持ちなさい」
カエ「私は決して忘れない。私は決して失わない。私の名はガイウス・ユリウス・カエサル。さようなら、母上、コルネリア。また会う日まで、どうか私を守りたまえ。父上、私は必ずやローマを変えて見せます」
カエサルはける。
ノバ、ジェニー、ジュン登場
ノバ「カトの最後の捨て台詞を聞いたか？『この女たらし！』だとよ！」
ジュ「皆大爆笑だったわ」
ジェ「とにかく、彼の疑いは晴れた訳だから、今後の方針だけど……」
フェブリオ登場
フェ「ジェニー姉さん！　」
ジュ「フェブリオ兄様が大きな声を出してるわ！」
ノバ「どうしたんだ、兄さん」
フェ「また戦争になるぞ」
ジェ「この間ガリア戦争が終わったばかりなのに……」
ジュ「今度の原因は何なの、兄様？」
フェ「クラッススが、死んだ」
ノバ「これだから、元老院ってのは嫌なんだ。何も分かっちゃいねえ！」
カエサル登場。
カエ「初めまして、グナエウス・ポンペイウス。私はガイウス・ユリウス・カエサル」
ノバ「誰だか知らねえが、随分偉そうな奴だな」
カエ「この口かな？　それとも態度？　雰囲気？　すまないが生まれつきなんだ」
ノバ「へー、面白いね、あんた。このポンペイウスに何の用だ？」
フェブリオ登場。
フェ「元老院は長い間このローマを維持し続けた重要な中枢機関だ」
ノバ「何なんだ、あんたは」
フェ「お初にお目にかかる。僕はマルクス・リキニウス・クラッススだ」
ノバ「スッラ派のクラッススか！？　驚いた、こんなに若いとはな」
フェ「騎士階級の僕を知っていてもらえているとは嬉しい」
ノバ「かの奴隷戦争を終わらせた英雄はさすがだな！　古い考えに固執するお偉いさん方の忠実な番犬ってわけか。ご立派だな！」
フェ「勘違いしないでほしい。確かに彼らの功績は偉大だが、君が言うようにどんなに立派な大木でも、幹だっていずれは朽ちていく」
カエ「いくら枯れ葉で覆い隠そうとも、土に還るのは必然だ。誰かが新しい若木を植えてやらねばならないと、思わないかい？」
ノバ「以前、ローマ転覆を謀ったような計画が二つ、未遂に終わったことがあったな。主犯はあんたか」
カエ「さあ」
ノバ「いいぜ、前科があろうとも、クラッススまでいるなら話は別だ。カエサル、あんたの革命に乗ってやるよ」
カエ「ありがとう、ポンペイウス。新時代がまた近づいたよ」
フェ「それじゃ、僕はパルティア遠征に行ってくるよ」
ノバ「あんたは本当に頼もしいな！　そこまで見送るぜ」
カエ「朗報を期待してるよ、クラッスス」
フェ「二人とも、ありがとう。まかせてくれ」
フェブリオ、ノバはける。
ノバ登場。
ノバ「カエサル！　大変だ……カルラエの戦いで、クラッススが、戦死した」
カエ「……。そうか」
ノバ「……それだけか？　あいつが死んだのに、その一言だけなのか！？」
カエ「他に何があるんだ？」
ノバ「俺はさ、ローマって嫌いなんだけどよ。あんたらのことは、結構気に入ってたんだぜ」
ノバはける。
カエ「ここまでか……」
カエサルはける。
ジェニー、ジュン、フェブリオ登場。
ジュ「ジェニー姉さま。ユリウス様が、クレオパトラと組んだポンペイウスを倒しました」
ジェ「そう……。これだけ状況に変化があっても、この分岐点は消失しないのね」
フェ「クラッススのリタイアは大きかったな」
ジュ「ユリウス様、大丈夫かしら」
ジェ「時は流れるのみ、よ。ジュン、のんびり屋のオーギュストを起こしておいて」
ジュ「分かりました、ジェニー姉さま」
ジュンはける。
ジェ「ノバは？」
フェ「最近見ていない」
ジェ「彼のところね。分岐点との接触は控えてとあれほど言ったのに」
フェ「連れ戻そうか？」
ジェ「とりあえず様子を見に行きましょう。フェブリオ、一緒に来て」
フェ「分かった」
二人はける。
カエサル登場。
カエ「よし、ファルナケスをも倒した。これで障害はほぼ取り除けた。ローマで待っている私の腹心に戦勝報告をしなければ。文面は、そうだな……来た、見た、勝った、だな」
ノバ登場。
ノバ「順調そうで何よりだ」
カエ「！　君か、侵入者かと思ったよ」
ノバ「無断で入って来た俺は侵入者じゃねえのかよ？」
ヵエ「君は、君達は特別さ。そもそも君達の行動は、私にどうこうできる物でもないだろう」
ノバ「俺達の正体って奴が気になるんじゃねえのか？」
カエ「気にはなるさ。だがそれ以上に私は君たちの存在に感謝しているからね」
ノバ「大王の像を見たのか」
カエ「ああ。だから決心できた」
ノバ「それまでの幸せを捨てることになったのに、か？」
カエ「確かに、あの居心地の良い日々を過去にすることは私にとって失ったということなのだろう。だが、ガイウス・ユリウス・カエサルは、ローマのためにあるのだ」
ノバ「お前はお前だけのものだろう？」
カエ「私が築いてきた金も、地位も、名誉も、犠牲も、私の誇りには劣る」
ノバ「誇り？」
カエ「そうだ。私の、女神ウェヌスの子孫にしてユリウス氏族カエサル家が当主、ガイウス・ユリウス・カエサルとしての誇りだ」
ノバ「すっかり、つまらねえ人間になっちまったな」
カエ「全く、失礼な男だ。私とここまでくだけて喋る人間は初めてだ。……。でも、やはり面白い奴だな、君は」
ノバ「ちっとは周りの事が見えるようになったか？」
カエ「君にはどう見える？」
ノバ「何も分かってねえガキんちょじゃあ、なくなったってくらいかな」
カエ「それは上々だ。私はなんだってやってみせるよ、ノバ」
ノバ「ああ、一つ教えてやるよ。ノバってのは――」
ジェニー、フェブリオ登場。
ジェ「ノバ！」
ノバ「ジェニー！？」
ジェ「やめなさい。その人間に何を言う気？」
ノバ「ジェニー、俺はこいつが気にいっちまったよ。俺を面白いって言うこいつが」
ジェ「分岐点に感情移入をしてはいけないわ。そういう決まりよ」
ノバ「分岐点、決まり、運命！　ジェニーはほんっとにちっとも面白くねえな！」
ジェ「いい加減に――」
フェ「いい加減にしろよ、ノーベンバー！　ルールは守れ。それがルールだ」
ジェ「二人とも、やめて」
カエ「手を、離してやってくれないか？」
ノバ「お前、何言ってんだよ」
カエ「さっきからの君達の発言にはさっぱりだが、私が原因なのだということは分かる。私のできる範囲で君らの言い分を聞こう。だからここは収めてくれないか？」
ノバ「お前には少しも関係ねえだろ。何やってんだ」
フェ「お前に何ができる」
カエ「何でも」
フェ「お前は神か何かか？　でなければただの馬鹿だな」
ノバ「そりゃ、馬鹿だろ」
カエ「どちらも違うな」
ジェ「カエサル様。ガイウス・ユリウス・カエサルとは一体何かしら？」
カエ「カエサル家の誇りを持つ、ローマのために生きる男だ」
フェ「ならばローマのためにその命を天に返してはどうだ」
ノバ「フェブリオ！」
カエ「それはできない」
ジェ「あなたは何でもできるのでしょう？」
カエ「ローマにこの身を捧げた私はローマのために何でもできるだろう。だがこの身はローマの物である。よって私の生死はローマの物であり、私の意思は関与しない」
ジェ「それは本当にガイウス・ユリウス・カエサルなのかしら？」
カエ「ローマの為にあるガイウス・ユリウス・カエサルはローマそのものである。貴女にローマが殺せるか？」
ジェ「……いいえ」
カエ「私は決して死なない。ゆえに何だってできる」
フェ「屁理屈だな」
カエ「だが理屈だな。ありがとう」
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2014-01-07T22:37:34+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry41.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry41.html</link>
		
				
		<title>Ⅰ</title>

		<description>奥から。
ノバ「ジュンなんか嫌いだああ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 奥から。
ノバ「ジュンなんか嫌いだああああ！！」
ノバ登場。
ノバ「てやんでい！　ちくしょう、コノヤロばかやろこのやろー！俺は悪くないぞ！　ジュンの馬鹿やろうー！！！　ピーピー鳴いてる虫も空がすっげー青いのも、魚がすいすい泳いでるのもむかつくんだよぉ！」
カエサル登場。
カエ「世界、それ自体が神であり、世界が自身の霊魂を流出する。それは同じ世界を導く原理であり、物の一般的本性や、……本性や……　おい、君！　何やってるんだ」
ノバ「は？　君って俺のことかぁ？　つかなんで……てか見りゃ分かるだろ、むかついてるんだよ」
カエ「君が一体何に怒っているのか私には分からないが、少なくともその川に住む生き物たちが君の被害を受けるのは不当だと分かるぞ」
ノバ「不当だか不毛だか知らねえが、つーかいつまで掴んでるんだよ」
カエ「不毛？　なるほど、確かにこの場合、その言葉の方がより適切に相手の勢いを沈められたかもしれないな」
ノバ「いやそーじゃねえだろ！　俺にはお前の方が意味不明でビックリ仰天だっつの。や、つーかそもそもお前なんなのよ？」
カエ「私は、女神ウェヌスの子孫にしてユリウス氏族カエサル家が嫡男、ガイウス・ユリウス・カエサルである！　口が悪くても君にだって名乗る名前はあるだろう？」
ノバ「っ！　へえ？　この俺に喧嘩売ってんのか、生意気にな小僧だな。俺は、そうだな、ま、ノバかな？」
カエ「どうして疑問形なんだ。まさか君には名前がないのか？」
ノバ「べっつに～。それよかさ、貴族のぼっちゃんがこんな所で何の用だよ」
カエ「私の名はガイウス・ユリウス・カエサルだ。少し、静かな場所で本が読みたかったのだ」
ノバ「本？　こんなご時世に勉強してんのかよ」
カエ「わ、悪いか！？」
ノバ「剣振ってた方が長生きできるんじゃねーの？」
カエ「ふん。学の浅い人間が言いそうなことだ」
ノバ「あぁ？」
カエ「や、やめろ、苦し……ぶは……これからは、剣の腕だけがあっても生き残れはしないし、時代は変わらない」
ノバ「誰かの受け売りか？」
カエ「わ、悪いか……」
ノバ「べっつに～」
カエ「尊敬する父上のように賢く、戦争を終結に導いた伯父上のように勇敢になるためにも、もっと知識が必要なんだ」
ノバ「戦争って、同盟市戦争か、てことはお前の伯父さんって」
カエ「私の名はガイウス・ユリウス・カエサルだ。勿論、ルキウス伯父さんその人である」
ノバ「てーことは、こりゃちっとやべーな。あー、坊っちゃんよ、俺はもう帰るよ」
カエ「えっ……あ、いや、そうか」
ノバ「？……　じゃーな、坊主――」
ノバはたかれる。
ノバ「ってええ！　急に何すんだこんちくしょー！　しかもこの俺に！　しかも後ろから！　しかも急に！」
ジェ「何すんだはこっちの台詞よ！」
ノバ「げっ、ジェニー」
ジェ「げ、じゃないわよ！　用件は分かってるわね？」
ノバ「用件？　えーと……なんだっけ？」
ジェ「ジュンに謝るのよ！」
ノバ「ああ！　ははっ、ごめんよ姉ちゃん、すっかり忘れてたぜ！」
ジェ「まあ！　このうっかり屋さんの――愚弟が！」
ノバ「痛い痛い痛い！　姉ちゃんほんとにやばいって！」
ジェ「ジュンー、こっちおいで」
ジュン登場。
ノバ「……悪かったよジュン。確かに、俺もちっと大人げなかった」
ジュ「……んーん。ジュンも、泣いてばっかでごめんね。ジュンね、ほんとはノバ君が大好きだよ！」
ジェ「はい、この件はこれで終わり！　さあ、帰るよ」
ノバ「ちぇっ、一体誰がジェニーにちくったんだよ」
フェブリオ登場。
フェ「僕だよ、ノバ」
ノバ「げげっ。に、兄さんだったのかー、はっはっはっはっは……」
ジェ「ほらほら、今日は鳥肉のシチューだよ」
カエ「あ、あのぉ……」
ノバ「お、まじで！　これだから姉ちゃん大好きだぜ！」
ジュ「ねーねー、ジェニー姉様、フェブリオ兄様、彼はノバ君のお友達？」
ジェ「……。何を言ってるの、ジュン？」
フェ「普通の人間に僕らは……」
カエ「僕らは？」
ノバ「っ、すんませんっしたああああああ！！」
ジェ「な、な、なんてことなの……」
フェ「姉さん、しっかり」
ノバ「いや、あの、なんかね、言い訳する気はねーんだぜ？　だたまぁ、なんつーか成り行きっての？ノリ？」
ジュ「姉さま、ノリってどういう意味だったかしら？」
フェ「ジュン、少し、静かに」
ノバ「俺だってビックリしたんだぜ？　世界がどうとか言ってる貴族のおぼっちゃんに、まさかこんな辺ぴなところでうっかりみられちまうとは」
ジェ「うっかり……？」
ノバ「あ、いや、その」
カエ「おい、君は何度言ったら分かるんだ。品のあるおぼっちゃんなどと言うな！　私の名はガイウス・ユリウス・カエサルだ」
ノバ「言ってねーよ！」
ジュ「確かに。ノバ君てば、運がイイにしても貴族の男の子を捕まえるなんて」
フェ「身代金の要求でも、したのか？」
ジェ「ああ、本当になんてことかしら」
ノバ「皆で俺を犯罪者にするんじゃねえええ！」
カエ「そもそも、君たちは一体何なんだ。一緒に帰ろうとしていたようだが、まさかその口の悪い彼の身内か？」
ジェ「失礼いたしました。私はそこの口の悪い男の姉で……ジェニーと申します。愚弟は貴族という身分を理解しておりませんで。数々の無礼、お許しください」
カエ「あ、いや……」
ノバ「気にしてねーよな！」
カエ「君には兄弟がいたのか」
ノバ「まぁ、ね。あっちの無表情なのがフェブリオ、俺の兄さんだ」
ジュ「ちょっとちょっと、ノバ君！（ヒソヒソ）」
ノバ「ん？　あぁ、んでこっちが」
ジュ「初めまして、ユリウス様。弟の非礼、大変失礼いたしました。わたしのことはジュンとお呼びください」
ノバ「いい子ぶりっ子猫かぶり」
ジュ「……ノバ、なあに？」
カエ「あ、こちらこそ……私は、女神ウェヌスの子孫にしてユリウス氏族カエサル家が嫡男、ガイウス・ユリウス・カエサルだ。女性がいるなら仕方ない。お気をつけて」
ジェ「御配慮感謝いたします」
ジュ「ありがとうございます！　ユリウス様！」
はけていく。
ノバ「じゃーな、カエサル家のぼっちゃん。お前さ、もっと周りを見ろよな」
カエ「！　何だと！？」
ノバ「そしたらさ、お前は何だってできるぜ。多分な！」
カエ「！　意味不明だぞ。というか、私の名はガイウス・ユリウス・カエサルだ！」
ノバはける。
カエ「全く、失礼な男だ。私とあそこまでくだけて喋る人間は、初めてだ。……。でも……」
カエサルはける。
順に登場。
ノバ「ひゃっほーう！　久々に肉の入ったシチューだぜ！」
ジュ「ジュン、姉さまのシチュー大好き！」
フェ「……僕も」
ジェ「みんな！　シチューの前に、ちょーっとお話があるわ」
ノバ「……お姉さま、目が笑っておりませぬ」
皆座る。
ジェ「ノバ、彼は一体何なの？」
ノバ「貴族のボンボン」
フェ「確かにな」
ジェ「ちゃかさなーい」
ノバ「痛い痛い」
ジュ「きれいな目をしていたわ」
ノバ「大好きなパパと伯父さん目指してクリュシッポス唱えるガキだ」
ジェ「普通の人間には見えない私たちを、彼はちゃんと見ていたわ」
ジュ「ジュンのこともしっかりあのきれいな目で見てくれたよ」
フェ「僕も」
ノバ「まぁ、確かに……実を言うならさ、あいつちょっと他とは違う臭いがした、かな」
ジェ「暦を変えられる者が現れたということ？」
ノバ「さあな」
フェ「……伯父さん？」
ジュ「あー、そだねぇ。今どき親に憧れるならまだしも伯父さんて」
ノバ「あ」
ジェ「何か思い当るの？」
ノバ「ジェニー、嫌な事思い出しちゃった」
ジェ「だから、何？」
ノバ「あのがきんちょの伯父さんってのがさ、ルキウスって」
フェ「ルキウス？」
ジュ「あのルキウス・コルネリウス・スッラ？」
ジェ「なんだか嫌な予感しかしないわ」
フェ「閥族派のルキウスと民衆派のガイウスは揉めている」
ジュ「ジュン思い出したんだけどー、そのガイウス・マリウスの奥さんって」
４人「……ユリア！」
ノバ「あの坊主はあんな坊主の内から渦にのまれてるってことか」
ジュ「じゃあ、ユリウス様も民衆派かー。伯父さんが大好きなんでしょ？　気の毒ねぇ」
フェ「因果応報とも、言う」
ノバ「あんなガキに何を背負わせようってんだ！」
ジェ「とにかく！　お膳立てはできちゃってるってことよ」
ノバ「何も、できねーのか？」
ジュ「できないよ、ジュンたちには」
フェ「僕たちは何もしない」
ノバ「それはいつものいい訳じゃねーのか？　逃げじゃねーか？」
フェ「ならば何ができる」
ジュ「わたしたちにはできない」
ジェ「知っていたって、私たちには何もできやしない」
ノバ「俺たちは、何もできない……」
カエサル登場。
カエ「お待ちください、伯父上！　どうか冷静になって下さい、マリウス伯父さん。あの人を、どうか殺さないでほしい！」
ジェ「うるさい！　こどもは黙っていろ。例えお前の実の伯父であろうと、私は奴を絶対に許さない。流浪の恥辱は必ず晴らす！　」
ジェニーはける。
カエ「そんな、マリウス伯父さん……！」
カエ「伯父上！　伯父上はいらっしゃるか、ルキウス伯父上！　ああ、そんな所に。さぁ、早くお逃げ下さい。追っ手がそこまで迫っております。伯父上！」
フェ「はははは！　なんという失態！　あの老いぼれめ、命だけは助けてやったというのに」
カエ「伯父上、これはきっと何かの間違いです。ルキウス伯父上が国家の敵などと……とにかく今は身を隠して転機を待つのです。さあ、はやく裏の戸口から！」
フェ「カエサル、私の可愛い甥よ。お前は私の誇りだ。だが決して、私の二の舞にはなるな。お前はこのローマを変える男なのだから！」
カエ「伯父上、何を言ってるのですか。伯父上、ルキウス伯父さん！！」
フェ「カエサル、元老院には気をつけろ。ローマに栄光あれええ！！」
フェブリオはける。
ノバ「カエサル。愛する我が息子よ。お前は本当に強くなった。お前は人間というものをよく分かっている。お前の永久的な魅力だ、自信を持ちなさい」
カエ「嫌です父上、待ってください。私はまだ、父上に教わりたいことがたくさん！」
ノバ「お前はローマを新時代に導くだろう。カエサル、誇りを忘れるな！」
カエ「父上ええええええ！！！」
ジュン、カエサルの近くへ。
ジュ「初めまして、カエサル様」
カエ「ただいま、コッスティア。話があるんだ」
ジュ「神祇官就任おめでとうございます、カエサル様」
カエ「その、そのだな、コッスティア」
ジュ「やっぱり、身分の差は大きな壁ね。私たち、別れましょう？」
カエ「……ありがとう。君の事は本当に愛していたよ、コッスティア。元気で」
ジュ「何に対するお礼かしら。でも、私こそありがとう。カエサル様、さようなら」
ジュンはける。
カエ「ここまで来たのだ。やってやる！」
ノバ「息まいてるとこ失礼するぜ、坊っちゃん」
カエ「君は……あのときの！」
ジェ「お久しぶりです、カエサル様」
ジュ「お久しぶりね、ユリウス様！　ん～やっぱりきれいな瞳ね」
カエ「こんな灰色のどこが……！」
ノバ「なーなー、お前随分有名人になったのな」
カエ「私の仇名を知らないのか？　ビュティニアの女王だぞ？」
フェ「生きるために、できることをやったんだろ」
ジュ「伯父さんのことは気の毒ね」
カエ「マリウスはやるべきことをやっただけだ。スッラは政治のイロハを分かっていなかったにすぎない」
ジェ「ローマを、変えるのだとか」
カエ「ああ。父も伯父もできなかったことだからな」
ジュ「国民のためじゃないんですか？」
カエ「さあね」
ノバ「海賊に捕まったときはびっくりしたぜ」
フェ「あれは終わりだと思ったね」
ジュ「身代金が安すぎるぞ！　ってね」
ノバ「磔にしてやるってのも威勢が良かったな。ほんとにやっちまうし」
フェ「姉さん、そろそろ」
ジェ「カエサル様、財務官になったらヒスパニアには必ずお行きなさい」
カエ「ヒスパニア？　一応留めて置こう。私としては、そろそろ君達の正体が気になるわけだが」
ノバ「正体ねぇ」
ジュ「ひ、み、つ～」
ジェ「あなたは分岐点」
カエ「分岐点？」
ノバ「とりあえずはさ、生き延びろよ、ガキンチョ」
はける。
カエ「ま、せいぜい選択を間違えないよう気をつけるよ」
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2014-01-07T22:36:40+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry40.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry40.html</link>
		
				
		<title>7幕</title>

		<description>　〈社史編纂室〉の看板
　　端の方を妖…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　〈社史編纂室〉の看板
　　端の方を妖精（１，２，３，４，５、６）が歩いている。
洋「ほら、今日も流星群だよ、マコトちゃん」
洋「光がすーっと尾を引いて、荒れ果てた大地に散る。きれいだよ？」
洋「今の世界人口は？」
灰「はい。ただ今の世界人口は４億７０００万２０人です」
洋「５億きったのか……」
灰「４億７０００万人に、なりました」
洋「たくさん死んでいったよ。〈妖精〉の、都合のいい世辞を聞きすぎたせいだね、きっと。ぼくは耳が随分悪くなってしまったよ。爆音が聞こえにくくなって助かるけどね」
洋「誰も結婚しなくなった。マコトちゃんが生きていたら、ぼくは絶対に君と結婚したのになぁ……。今じゃ、人間一人が５，６匹の〈妖精〉を連れているよ。子どもも、数えられる程しかいない。本当に、奇妙な光景なんだ。人間より、〈妖精〉の方が数が多いんだ」
静「時刻をお知らせします。現在は、１７時００分です。本日の勤務時間は全て終了いたしました」
灰「ヒロシ様、お疲れ様でした」
静「日々の業務の消化、見事な手際です」
灰「僭越ながら、明日も拝見してもよろしいですか？」
洋「かまわないよ」
灰「ありがとうございます」
静「ヒロシ様は本当に寛容でいらっしゃいます」
洋「そういうの、いいから。じゃ、お疲れ様」
灰「世辞を聞き入れないとは、あなた様はなんという高い見識の持ち主でございましょう」
　妖精はける。
洋「〈妖精配給会社〉はこういう所だけ残して、規模を小さくした。監視つきで。そうそう、あの地下の研究室、まだ行けてないんだよ。ただ、時々ね、すすり泣きが聞こえるんだ。おかしいよね。耳が遠いのに、聞こえるんだ」
洋「ぼくは密かに思う事がある。地球人を緩やかに絶滅させるために、何者かが〈妖精〉を送り込んだのでは？　と……。悪魔でもなく天使でもない、害はないが益もない。それが〈妖精〉という生き物だと、はるか昔から言われてきたのに、ね」

×　×　×

　静、泣いている。
　妖精（１～６）並んでいる。
灰「なぜ泣いているのですか？」
静「悲しいから」
灰「なぜ悲しいのですか？」
静「皆、いなくなってしまったから」
灰「私達がいますよ？」
静「家族が！　同じ人間が！　……いなくなってしまったからっ」
灰「あなたはもう、地球人ではありません」
静「体はそうでも、お兄ちゃんが繋ぎとめてくれた心だけは、私のものよっ」
灰「……彼らは、本当に愚かですね」
静「ひどいよ！　みんな、お父さんもお兄ちゃんも、他のたくさんの人たちも、みんなあなた達を信じていたのに！　安らぎだったのに！」
灰「勝手に安らいでいたのは彼らですよ？　私達、一度でも名乗りましたか？」
静「！」
灰「〈妖精〉だなんて一度も口にしていませんよ。そんな大層なものではありませんから。私達はつまらない生き物です。ですから、最初に申し上げたでしょう？」

　「こんなつまらない生き物を飼ってくださってありがとうございます」（妖精みんなで）





（おわり）
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:35:23+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry39.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry39.html</link>
		
				
		<title>6幕</title>

		<description>　〈妖精配給会社〉の看板。
　外を見て…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　〈妖精配給会社〉の看板。
　外を見ているヒロシ。
　黙々と作業する妖精（灰、静、１，２，３，４，５）たち。
　爆音。
洋「あ、落ちた」
誠「隕石？　ごみ？」
洋「たぶん隕石。最近はごみもほとんどなくなったらしいじゃん？」
誠「あー、今朝のニュースでやってたっけ」
洋「そうそう。あー、流星群だー」
誠「あのさ、ヒロシ、なんで？」
洋「何が？」
誠「このご時世、星が落ちようがデブリが落ちようが衛星が落ちようが、そんなの日常茶飯事なんだよ？　あんたは何で毎日毎日、流星群くらいでウキウキしてんのさ」
洋「えー？　だってキレイじゃん、流星群。光がこう、すーっとさ、尾を引いて、この荒れた大地に衝突する」
誠「あたしは嫌だね。毎日毎日、雨あられと降ってこられちゃ、外出できないもん。あれのせいで、世界のあちこちが廃墟になってんだよ？」
洋「落下物が全ての元凶ってわけじゃないじゃん」
誠「似たようなもんでしょ。人もたくさん死んでるし」
洋「あー、そういえばマコトちゃん、世界人口が３０億を切ったんだって」
誠「あーあぁ、まったく……。創造主ってのは、一体何考えてこんな世界つくったんだか。壊すんなら最初から作るなよな！」
洋「昔は、もっと穏やかで平和だったらしいけどね」
誠「絶対うそだよ」
洋「でもさ、こんな風になっちゃったけど、〈妖精〉が普及して、世界中の人々の生活が便利で豊かになったから、悪くはないんじゃない？」
誠「不幸な人々には優先的に〈妖精〉が配給されたね」
洋「確かに、難病に苦しむ少女にも、身寄りのない老人にも、〈妖精〉は隅々まで行き渡ったけど……生きるって大変だよね」
誠「楽あれば苦ありってこと？　それで死んじゃったら意味ないよねー」
洋「社長も結局変になって死んじゃったもんね。未来が分かった、とかよく分からないことを叫んでたような……」
　陽、スポット。
陽『――っ！　すごい！　なんてすごい生物だっ！　労働もできず、知能は世辞を言うのがせいぜいで、肉も食べられるほどもない。だがそれでもっ、ああ！　なんと恐ろしいのだろう。これほど脆く、美しく、そして退廃的な生き物は、地球上のどこを探してもいない！　おまけにタマゴでどんどん増える！　くっ……ははははっ！　知ってしまった。俺は知ってしまったよ、未来を！　世界の行く末を見つけてしまった！　父さん、俺、今なら分かるよ。生命の神秘！　科学の勝利！　ああ、ああ！　ばかっ、本当に、なんてすさまじいんだ！〈妖精〉はっ！　――』
誠「まぁ、あの人は年だったしね」
洋「平均寿命もかなり下がったよね」
誠「〈妖精〉が見つかるよりもずっとずーっと昔の、えっと、なんて言ったっけ？」
洋「江戸時代って時と同じくらいの寿命らしいね」
誠「そうそう。おかげで子どもはほとんどいなくなり」
洋「それこそ、昔は少子化とか言ってたみたいだけど」
誠「今じゃ、子どもは町に一人いるだけまし、だもんなー……」
洋「〈妖精〉はすごく便利だけど……代わりに人類は薄っぺらいお世辞に満足しちゃうし、離婚率は上がるし……」
誠「その〈妖精〉を、じゃんじゃか配給してる会社に勤めてるあたしらがそんなこと言ってたって、すごく不毛なんだけどね。あ、ねえねえ、ヒロシは地下の研究室、入った事ある？」
洋「ううん。ないけど、マコトちゃんはあるの？」
誠「ないない！　絶対入るなって、社長のきつーいお達しだったからさ」
洋「何があるのかな？」
誠「さあ？　もしかしたら他人には見せらんないものがわんさかあるかもね」
洋「例えば？」
誠「……エロ本、とか？」
洋「……マコトちゃん……」

×　×　×
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:34:48+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry38.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry38.html</link>
		
				
		<title>5幕</title>

		<description>　スポットで父親。
　父、狂喜。
父「―…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　スポットで父親。
　父、狂喜。
父「――っ！　素晴らしい！　なんて素晴らしい生物だっ！　労働もできず、知能は世辞を言うのがせいぜいで、肉も食べられるほどもない。だがそれでもっ、なんと素晴らしいのだろう。これほど脆く、美しく、そして退廃的な生き物は、地球上のどこを探してもいない！　くっ……ははははっ！　知ってしまった。私は知ってしまったよ、未来を！　世界の行く末を見つけてしまった！　生命の神秘！　科学の勝利！　ああ、ああ！　本当に、なんて素晴らしいんだ！〈妖精〉とはっ！　――」
　笑いながら力なく座る。

　妖精（シズカ）登場。

静「……」
静「こんなつまらない生き物を飼ってくださって、ありがとうございます」

　ヒナタ登場。
陽「……親父、随分元気がなくなったよ」
静「ですが、思考がとても柔軟なカナメ様は、お年を召してもそれは健在のご様子」
陽「俺はもうすぐ大学を卒業する」
静「幼少期から鋭い感性をお持ちのヒナタ様ですから、大変意義のある人生を送ることでしょうね」
陽「皮肉のつもりか？　１１年間幽閉されていたお前の、４年間一度も帰らなかった俺に対する」
静「とんでもありません。つまらない生き物の戯言と、思ってください」
陽「しばらく見ない間に、随分口が達者になったな」
静「お褒め頂いて光栄です。ヒナタ様も、カナメ様に似て、心身ともに知性あふれる男性におなりですよ」
陽「お前も、世辞ばかり言ってるな。小賢しくても、従順な方が安全だろう？」
静「お世辞を聞き入れないとは、あなた様はなんという高い見識の持ち主でございましょう」
陽「……。ばーか」
静「……」
陽「ところで、帰ってきてからまだシズカを見ていないんだが。……母さんが亡くなってから塞ぎ込んでるって聞いて、心配してたんだ。俺も、そばにいてやれなかったから……」
静「シズカ、様……」
陽「？　どうした」
静「……ナ、ナナナナ」
陽「急に何を――っ！　お前、このアザは何だ……？」
静「ナナ……ナ、ナ、ナ」
陽「……お前に、こんなアザは無かったはずだ。……これは、お前じゃなくて……シズカにあったアザだぞ！？」
静「ナナナナナナナ……ナ」

　何か切れる音。

陽「な、なんだ、なんの音だ！？」
　妖精登場。
灰「はい。これはこれは、ヒナタ様。おかえりなさいませ」
陽「！　あ、あれ？　俺は……夢でも見ているのか……？」
灰「３年１１カ月２８日と２０時間４９分ぶりですね。ヒナタ様。お元気そうで何よりです。心身ともに大変御立派になられましたね」
　妖精、シズカをしっかりさせる。
陽「どう、いうこと、だ……」
灰「はい。　質問の意味を図りかねます」
陽「どうして、〈妖精〉が二匹いるんだ……そ、それに、シズカは……俺の妹はどこだ？」
灰「はい。まず、最初のご質問ですが、〈妖精〉が増殖したのです。二つ目ですが、目視でご確認いただきました。優秀なヒナタ様であれば、充分お分かりになると思ったのですが……」
陽「分かるわけがないだろう？　分かりたくもない……。お前は、お前はコレがシズカだって言うのか！？」
灰「はい。さすがですね」
陽「うるさいっ！！　一体、誰が……」
灰「はい。カナメ様です」
陽「おや……じ……？」
灰「私は彼女ほど、ヒナタ様とカナメ様を知りませんから」
　父に掴みかかる。
陽「っ、親父！　おい！　どういうことだよ、親父！！」
父「ヒナタ……。し、しょうがなかったんだ……。あの日、シズカは事故にあって、とても見込みのない重体だった。だが、〈妖精〉ならば、まだ手段があった。〈妖精〉になったならば、方法があったのだ！」
陽「意味わかんねえよ！　なんだよ、それ！」
父「〈妖精〉のタマゴは、その、高性能な保護液で満たされているんだ。ジェル状で、震動を吸収したり、損傷部の修復が速い成分や、温度調節もできて……」
陽「だから！？　だからなんだよっ」
父「現代医療では不可能な治療も可能だと思った」
陽「……じ……」
父「だから、だから私は、人工的に妖精に近い状態をつくりだした」
陽「……じっ」
父「〈妖精〉が誕生する時のようになれば、助かると思ったんだ」
陽「……やじっ！」
父「そ、そうだ、私は、シズカを助けようとしたんだ！　あの時にこそ、これまでの研究が役に立ったんだ……。私は……シズカを、救ったんだ！」
陽「親父っ！！」
父「ははは……そうさ、やはり私は正しかったのだ。研究も、〈妖精〉も！　全ては未来のために……　我々科学者の探究心は人類を救う鍵なのだ！　はは、ははははは！」
陽「違うだろ、親父！　そうじゃないだろ！？　目を覚ませ、気付けよ！　なぁ……父さん……」
静「ナナ……。私は、機転を利かせて下さったカナメ様のおかげで、長らえることができました」
陽「……。分かった。分かったから……シズカ、そんな話し方、やめろよ、な？」
静「おっしゃる意味を酌みかねます」
陽「お前、シズカなんだろ？　頼むよ……そんなんじゃ、まるで、まるで」
父「まるで、本物の〈妖精〉だろう？」
陽「っ！」
父「悪魔でもなく天使でもない、害はないが益もない。儚く、美しい。……素晴らしいだろう？　私の〈妖精〉達は！　はははははははは……」
　ぞろぞろ出てくる。
　「こんなつまらない生き物を、飼ってくださってありがとうございます」
陽「なん、だ……こいつらは」
１「おかえりなさいませ。ヒナタ様」
２「お初にお目にかかります」
３「なんて利発そうなお人でしょう」
１「お話に伺っていた以上です」
２「カナメ様もヒナタ様も、本当に才能豊かで」
３「お二人の探究心には敬服いたします」
陽「どういうことだ！　どうしてこんなに……お前一匹しかいなかったはずだろう！」
静「私達は単性生殖が可能です」
陽「単性……」
父『一人でタマゴを生んで増えるってことだ』
灰「はい。以前……正確には１１年７カ月１０日と１３時間６分前、カナメ様がお話になりましたよね」
陽「は、ははは……。なんで、こうもそっくりな奴ばかり……？　全く同じに生まれて、全く同じに成長でもしたのか？」
灰「はい。私達は万全な状態から生まれます。ですから、私達に欠陥は存在しません」
陽「まるでクローンか何かだな。……何なんだ、お前は」
灰「はい。私達は知能もなく、労働力にもなりませんが、皆様のお役に立つことができれば、それが何よりの幸福なのです」
陽「はっ……。ほんと、よくできてるな。労働もできず、知能は世辞を言うのがせいぜいで、肉も食べられるほどもないくせに」
１「素晴らしい判断力ですね」
２「高度な知能を有する方なのですね」
３「さすがはヒナタ様ですね」
静「知性あふれる方はやはり本当に素敵ですね」
陽「うるさい……ばかが、かしがましく騒ぐな。……。分かった。親父は変になっちまったし、俺がお前らを飼ってやるよ」
灰「ありがとうございます。お手間は取らせませんので」
陽「当たり前だろ？　なんたって俺たちは、俺は今日から、研究をはじめるんだから。はき違えるなよ？　これは妹を、シズカを元に戻す方法の研究だ」
静「世辞を聞き入れないとは、あなた様はなんという高い見識の持ち主でございましょう」
　ヒナタ、舌打ち。
陽「虫みたいなやつらが偉そうに……」
　はける。

×　×　×
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:34:16+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry37.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry37.html</link>
		
				
		<title>4幕</title>

		<description>　妖精登場。
　シズカ、座りこむ。
灰…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　妖精登場。
　シズカ、座りこむ。
灰「……。」
静「……。」
灰「どうなさったのですか？」
静「何が？　毎日来たらいけないの？」
灰「いいえ。そんな事はありません」
静「……お父さんは？」
灰「はい。仮眠を取っています。現在は３６分経過しました」
静「そう。……あなたは、こんな所に閉じ込められてて、寂しくない？」
灰「いいえ。私のようなつまらない生き物を、飼っていただいているのですから」
静「どうして？　……私は寂しいよ。毎日毎日、何をしたらいいのか分からない。したい事も分からない。楽しいんだって思いこみながら、２４時間が過ぎていく」
灰「不幸なのですか？」
静「ううん。きっと私はすごくは幸せなんだ。……あなたはオムライスを食べたことある？」
灰「いいえ」
静「私はあるよ。……あなたは、みんなで食卓を囲みたいとは思わないの？」
灰「いいえ。１００％拒否します」
静「私はそうしたいよ。あなたにはお母さんがいる？」
灰「……いいえ」
静「私にはいたよ。あなたはお母さんの手を知ってる？」
灰「？　いいえ」
　少し笑う。
静「……。私も、ほとんど覚えていないの」
灰「……。シズカ様の母君であれば、おそらく気立てのよい、美しい女性だったのでしょうね」
静「うん。それに、きっと優しい人だったよ。お兄ちゃんを産んでくれた人だから」
灰「……不幸なのですか？」
静「ううん。きっと私はすごく幸せなんだ。でも、私は寂しいよ。つまらない生き物だけど……ただ、ちょっとだけ、寂しいの……。変かな？」
灰「……いいえ」

×　×　×
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:33:33+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry36.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry36.html</link>
		
				
		<title>3幕</title>

		<description>　ヒナタ登場。
陽「ただいま……。あ、父…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　ヒナタ登場。
陽「ただいま……。あ、父さん。出かけるの？」
父「ああ……」
陽「また研究所？」
父「まあな……」
陽「……晩飯は？」
父「いや、いらん。二人で食べなさい」
陽「あっそ」
父「……」
　父はける。

陽「……ばかっ。あんたがそんなんだから！　……！」
静「ただいまー」
　ヒナタ、深呼吸。
陽「ああ、お帰り、シズカ」
静「お父さん、また出かけたの？」
陽「……あぁ……。晩ご飯、何がいい？　好きなの作るよ」
静「……カレー」
陽「またか？　……わかった。……いつも、ごめんな」
静「！　お兄ちゃんのせいじゃないよ！」
陽「……あんな父親で、ごめんな」
静「あの人は……一人じゃ生きていけないから……」
陽「父さんがあんなんだから！　……母さんも出てったんだっ」
静「だめだよ。お父さんのこと、そんな風に言っちゃ」
陽「なんでだよ！」
静「だってっ……私達のお父さん、だから」
陽「あんなの父親なんかじゃねえ！」
静「お兄ちゃん……」
陽「当たり前だろ！？　母さんや俺達を放っておいて、あんな……〈妖精〉なんかの研究に年中没頭してるようなやつ、父親でも何でもねえよ！」
　ヒナタはける。

静「お兄ちゃん！」
静「……でも、でもね、お兄ちゃん。お父さんね、あの〈妖精〉を見つけてから、毎日生き生きしてるんだよ……」

×　×　×
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:32:49+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry35.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry35.html</link>
		
				
		<title>2幕</title>

		<description>静「お兄ちゃん、おはよう」
陽「おはよ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 静「お兄ちゃん、おはよう」
陽「おはよ、シズカ。なぁ、昨日のこと、覚えてるか？」
静「うん。だって眠いもん」
陽「あのロケットみたいなヤツ、昨日のうちに研究所に運ばれたんだって。さっきニュースでやってた」
静「お兄ちゃん……トイレ」
陽「ばかっ、はやく行って来いよ」
静「んー」
　シズカはける。
　父登場。
陽「あ、おはよう、お父さん」
父「ああ、おはよう」
陽「お父さん、昨日運ばれたヤツ、正体分かった？」
父「いや。何かのタマゴだということしか……」
陽「タマゴ？　でもあの時、動いたような……」
父「ん？　どうした、ヒナタ」
陽「いや、なんでも？　それよりさ、宇宙人とかじゃないの？」
父「宇宙人？　お前は何を言っているんだ。そんな――」
　携帯着信。
父「どうした。……何？　タマゴがかえっただと？　……分かった、すぐ行く」
父はける。
陽「あ、お父さん！？　タマゴがかえったってどういう……待ってよ、お父さん！」
　父を追ってはける。

　シズカ登場。
静「お兄ちゃぁん。……あれ？　お母さん、お兄ちゃんは？　どこ行ったの？　……えー……。じゃぁお外で遊んでくるー」
シズカはける。

妖精登場。
きょろきょろして、発声を試みる。
灰「……。あ……あ、う……あぁ、あー……んー」
　ヒナタ、父登場。
陽「待ってよ、お父さん！　ねぇ、いいよね。俺にも宇宙人見せてよ」
父「何が起こるか分からないんだ。さっさと帰りなさい、ヒナタ」
陽「ここまで来て帰ったら男じゃねえよ！　ていうかお父さんばっかずるい！　俺も宇宙人見たいー、触りたいー！」
父「我儘な事を言うんじゃない。母さんと家にいな……さ、い……」
陽「え……。これが、宇宙人？」
灰「……ナ、ナナナ、ナナナナナ……ナナ、ナ、ナ、ナナナナ……」
陽「わっ！　喋った」
父「言葉なのか？　人類のものではないようだが……」
陽「宇宙人語？」
灰「ナナナ……う、ちゆ……う、ちゅうじん」
父「日本語！？」
陽「宇宙人って、言ったんじゃない？」
灰「う、宇宙人……ナナナ……宇宙人では、ナイ」
陽「おお！　すっげー！」
父「日本語を理解できるのか？」
灰「ナナ。こ、こんなつまらない生き物を飼ってくださってありがとうございます」
父「飼う？」
灰「ナナ……なんて、知的な男性でしょう」
陽「お父さんのこと？」
灰「なんて、元気な、男の子でしょう」
陽「え、俺のこと？」
灰「美しい、日本語を、話します、ね」
父「……お前は何者だ？」
灰「名称は、ありません。高い、知能を持つあなたがたが、お好きな、ようにお呼びください」
父「一応の会話は成立するのか……」
陽「でもなんか……こいつ、地味だよ、お父さん」
父「全身は灰色の毛。これは、羽か？」
陽「しっぽもあるよ」
父「おいお前、ここに乗ってみろ」
灰「はい。よろこんで」
父「体重は……３キロか。ネコより軽いな」
陽「人間と同じくらいの大きさなのにねー」
父「これを持て」
灰「はい。かしこまりました」
父「筋力はほとんどないのか……これは読めるか？」
灰「はい。よろこんで。ナナナ……１、２、５、９」
父「全部足してみろ」
灰「はい。かしこまりました。……。ナナ、ナナナ……申し訳ございません。高度な知識を、持っておりません」
父「知能もそれほど高くないな」
陽「なーなー、くるって回ってみて」
灰「はい。よろこんで」
陽「おー。羽だけキレイだね」
灰「もったいない、お言葉です」
父「……。労働もできず、知能は世辞を言うのがせいぜいで、肉も食べられるほどもないようだ」
陽「全身の毛も地味だしね」
灰「はい。あなた方のような、高等技術はございません」
父「どうやって繁殖するんだ？」
灰「ワタシは、単性生殖が可能です」
陽「どういう意味？」
父「ヒナタ、お前、まだいたのか……。一人でタマゴを生んで増えるってことだ」
陽「へー。口から吐くのかな……。あ、ご飯は？」
灰「はい。何でも、食べます」
陽「俺が残したピーマンも！？」
父「ちゃんと食べなさい……だがそうだな。残飯でもいいなら手間がかからないな」
灰「とても柔軟な、思考を、お持ちですね」
陽「どんどん言葉が上手くなるね」
父「悪魔でもなく天使でもない、害はないが益もない。そうだな、お前はさしずめ、〈妖精〉といったところか……」
陽「ようせい……」
父「あ、お前いつまで居るんだ。帰りなさい」
陽「分かったよー。そいつも見れたし……。ヨウセイかぁ……」
父「まったく、好奇心旺盛なところは、私に似たのかな……」
灰「あなた方人類の進歩は、すばらしい意欲から成るものなのですね」
父「一部の人間だけだろうがな……」
灰「お世辞を聞き入れないとはあなた様はなんという高い見識の持ち主でございましょう」
陽「あーあぁ！　宇宙人じゃなかったのかー……」
灰「……ナナ……」

×××
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:31:56+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry34.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry34.html</link>
		
				
		<title>1幕</title>

		<description>妖精配給会社

陽（ヒナタ）
静（シズ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 妖精配給会社

陽（ヒナタ）
静（シズカ）
父＝要（カナメ）
妖精＝灰、１，２，３，４，５，６
洋（ヒロシ）
誠（マコト）


　飛来音、爆発音。

　ヒナタ（陽）、シズカ（静）登場。
陽「確か……こっちの方に落ちたよな……。ほら、急げって！　」
静「っ……やめようよぉ、お兄ちゃん」
陽「ばかっ、ここまで来て帰ったら男じゃねえよ！」
静「男の子じゃないもん……」
陽「めそめそするなよな！」
静「お母さんに、怒られるよ？」
陽「怒んないよ」
静「……何で？」
陽「当たり前だろ？　なんたって俺は、俺たちは今日、宇宙人を捕まえるんだから！」
静「宇宙人なんていないよぉ。お母さん、言ってたもん」
陽「いる！　シズカだってさっき見ただろ？」
静「お星様？」
陽「お星様はあんなフラフラ飛ばないよ」
静「でも、お星様、落ちたよ？」
陽「だーかーら！　あれはＵＦＯなんだって！」
静「ゆーふぉー？」
陽「未確認飛行物体のこと」
静「……みかんにんぽうぶた？」
陽「未確認飛行物体だって言ってるだろ？　シズカはなんにも知らないんだなぁ」
静「あ、お兄ちゃん……あれ……」
陽「え？」
静「お星様？」
陽「……だから……ＵＦＯだって！」
静「お兄ちゃん。これが、ゆーふぉー？」
陽「円盤じゃないから……ロケット、かな？」
静「ろけっと？　中に人がいるの？　おーい、もしもーし！」
陽「わっ、ばかっ！　危ないだろ？　変なモノには触っちゃダメだって、お母さん、言ってただろ？」
静「でも、お兄ちゃん、開いたよー？」
陽「あ……。どれどれ……。わっ！　中に、なんかいる……」
静「動くねー。虫さんかなぁ？」
陽「に、逃げるぞ、シズカ！」
静「え？　お兄ちゃん、なんでー？」
陽「いいから！　ほら、急げって！」
　ヒナタ、シズカはける。

　父登場。
父「……。こんな所に落ちたのか……」
父「これは……ロケット、なのか？　ん？　中に何か……こ、これは！」
　携帯。
父「……私だ。ああ、見つけた。やっとこの日が来たのだ。人類の念願、科学者の悲願。ついに、地球外生命体が、我々人類に接触したのだ。……ああ、すぐに戻る。準備を頼む」
父「それにしても……誰かが開けたのか？　いや、まさかな……」

×××
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-08T19:28:58+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry33.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry33.html</link>
		
				
		<title>走れメロス！（原作：太宰治）</title>

		<description>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（スポット）
ナレ「メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した」

女２「アナスタシア」女１「愛憎」「馬」「マリオネット」「とんぼ」「撲殺」「ツナ」「なり替わり」「りんご」「強盗が」「画廊」「嘘をついて」「テレビ」「ビラ配り」「リストバンド」「どんどん宣伝したら」「ラジオ」「訪れた客」「位」「椅子に」「ニーズ」「座らせて」「点呼」「コーヒー」「板」「出して」「店舗」「微笑んで」「デュマ」「待っている」
女２「……。え、何ですか、今の？」
女１「何って、しりとりでしょ？」
女２「しりとりって２文節以上でもいいんだっけ？」
１「そこ？」
２「あ、デュマって分かりました？　有名な作家なんだけど……」
１「サスペンス！　なとこに気付いてほしかったよ。どろどろの愛憎劇！　店主になり替わった強盗！　コーヒーを飲んでしまったらもう、戻れない……」
２「あれ？　ところで、今日は何か用事があったのでは？」
１「あ、そうそう！　その用事なんだけど、更に用事ができてしまったのだよ、我が親友」
２「まぁまぁ、それはお困りでしょうね、私の親友は」
１「仮にそれぞれを用事１と用事２としよう」
２「用事２はとても大事なんですね？」
１「さすがは親友！　私達の間に言葉はいらないわけだ」
２「それで、用事１っていうのは？」
１「昨日行ったカラオケに帽子を忘れてきちゃったの……大事な、大事な帽子なの」
２「というと、あなたが去年友人に渡されたあの帽子ね」
１「大好きな親友にもらった大事な帽子なんだ」
２「分かったわ。ならば私が大好きな親友のためにその帽子を預かって来ましょう」
１「ありがとう、私の親友はあんただけよ！」
２「私もよ」
鞄を持って喋りながら出ていく。
ナレ、メロス、入って来る。
セリヌンティウス後から。
ﾅﾚ「竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、よき友とよき友は、二年ぶりに相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウウは、縄打たれた。メロスはすぐに出発した。初夏、満天の星である。」
　　メロスとセリヌンティウスがお芝居している。

　　何か造っている女１．
　　帽子をかぶった女２が隣で本を読んでいる。
　　女１は女２に気付いていない。
１「用事２は何よりも重要なんですよっと。よし、完成！　もうこれはカンペキに最高すぎる！」
ＳＥ　電話。
１「ほいほーい。はい、もしもし。……。はい、私ですが……。え……？　事、故……危ないって、何言ってるんですか……」
　　電話を落とし。
１「……私の、せい？　私が帽子を取ってきてなんて言ったから……。いや……嫌だよ、あんたがいないと私は……。あんなこと、頼まなければ！　私が行くべきだったのに……。あんたがこんな目に遭う必要なんてないのに！　なにが……親友だ……あ、あぁ、っ……！」
　　女２の本を閉じる音。
１「――　！」
喋ろうとして声が出ない女１．
２「（首を振って）そんな事言わないで。あなたは何一つも悪くないのですから。大事だって言ってくれた帽子ね、私もあなたに似合うようにって、すごく悩んで選んだの。だから、あなたが一人で行くって言っても、絶対一緒に行ったわ」
　　女２、女１に帽子をかぶせて。
２「はい。帽子、ありましたよ？　（女１が造っていた物を見て）お礼しなくちゃね」
　　出ていく女２．
　　「待って」と叫んでいる女１。女２の姿が消えると同時に声が出る女１．
１「――　待って！」
　　泣き出す女１。

ＳＥ　濁流
　　走りこんできたメロス、客席の辺りを見て立ち尽くす。
ﾅﾚ「メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫し、濁流滔々と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵に橋桁を跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼び立ててみたが、繋舟は残らず浪に浚われて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロスは川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。」
メ「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う流れを！　時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あのよい友達が、私のために死ぬのです。」

ﾅﾚ「濁流は、メロスの叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽り立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（メロスにスポット）
ﾅﾚ「今はメロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ！　濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（暗転）
　　片側に“モノ”。もう片側に帽子。間に体育座りの女１．
ＳＥ　時計
　　沈黙。
セ「何をしているのですか？」
１「何も」
セ「なぜ？」
１「どうしたらいのか分からない」
セ「友人のもとへ行かないの？」
１「合わせる顔がない」
セ「親友なのでしょう？」
１「親友、なのかな」
セ「違うの？」
１「さあ。どうだろう」
セ「会いに行かないの？」
１「どうして!?」
セ「どうして？」
１「……。きっと恨んでる」
セ「どうでしょう」
１「絶対恨んでるよ！　絶対……」
せ「でも、待っていますよ？」
１「誰を？」
セ「あなたを」
　　間。
１「行かなければならないね。それが償いなら」
セ「閉じこもる時間は終わった。立ち上がれ。そして選べ」
　　女１、帽子をかぶり、”モノ“を持つ。
ﾅﾚ「ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。」
女１が立ち上がると同時にメロスが出てくる。

メ「歩ける。」
１「行こう。」
ﾅﾚ「斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ！　メロス。」
　　女１とメロス、走って出ていく。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ナレにスポット）
ﾅﾚ「路行く人を押しのけ、跳ねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（明転）

女２のもとにたどりついた女１。
２「来てくれてありがとう。親友」
１「……っ。ごめん」
２「あなたは本当にその帽子がよく似合うね」
１「ごめんね」
２「　　　のお礼、しなくちゃですね」
１「！」
　　黙って女２に”モノ“を差し出す。
２「ありがとうございます」
１「ごめん。ありがとう」
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-02-23T19:56:52+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry32.html">
		<link>https://indulgenza.web.wox.cc/novel3/entry32.html</link>
		
				
		<title>春の始発：舞う花</title>

		<description>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（暗転）
○電車（朝）
　　中央にサクラとミズキ。端の席に足組んで読書するツバキ。
ＳＥ　ドア
ミ「っ、すまねえ」
サ「ううん。ありがとう……」
寝むそうに乗ったカリン。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｆｒ・Ｉ）
カ「ねむ……。あれ？　人がいない……あ、おはようござい……」
　　サクラ達を見つけて硬直するカリン。
　　サクラとミズキがしっかと抱きあっている。
ＳＥ　電車
　　口を開けっ放しのカリン、我に帰り。
カ「な、何をやっとるかああああ！」
サ「あ、カリンちゃん、おはよう」
ミ「おう、がきんちょ」
カ「いやいやいや、おかしいですよ！　昨日も私が一人馬鹿なおちだったのに、朝からこれは一体どういう事ですか」
ミ「聞け、がきんちょ、俺はやっと見つけたんだ」
カ「はい？」
サ「私ね、やっと分かったの。自分がここにいる理由」
カ「どういうゴールを目指してますか？」
サ「カリンちゃん、この肩掛けをくれたの、やっぱりこの人だったよ。私の片思いだった人」
ミ「彼女は……俺が高三の時に事故で亡くなった俺の片思いだった人だ」
カ「……。どうぞ続けてください」
ミ「俺はずっとサクラさんを好きだった。高三の時、それを伝えようと思った矢先、彼女は事故に……！」
サ「その時、私は事故現場の傍にあった桜の木の精にもちかけられた。このまま極楽浄土に行くか、それとも地上に留まって思い残しをやり遂げるまで彷徨うか……」
ミ「あれから一一年。気づいてやれなくてすまねえ！」
サ「ううん。平気だよーう。こうやって会えたから」
ミ「っ！　サクラ！」
サ「ミズキくん！」
カ「え、ええ！？　ええええええええええええ！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｃ・Ｏ）（Ｃ・Ｉ）
　　サクラの姿は無い。
カ「あれ？　サクラさんが……」
ミ「サクラは……いってしまったよ」
カ「……おじさん……」
　　カリン、ツバキに気付く。
カ「あれ？　君もいたんだ……（ツバキを見て）」
ミ「お前ら、聞こえたか？　さっきの、消える間際の、サクラの声」
　　ツバキ、本を閉じて。
ツ「……あぁ」
カ「願い事を一つ……かぁ」
ツ「あれ……（窓の外を見るように）」
　　カリン、前の方に出て。
カ「桜の木……」
　　ミズキ、ツバキ、前に出て。
ミ「まだ二月なのに……」
ツ「だけど、綺麗です……」
カ「……やっぱ顔綺麗だね、ツバキ君（ぼそっと）。あ……」
　　ポケットから栞を出すカリン。
ツ「それは？」
カ「昔、六歳くらいの時かな。一度だけこの街を訪れたときにね、あの桜らへんで迷子になったんです。その時にね、きれいなお姉さんが慰めてくれて、これをくれたんです。もう二度と会えなかったけど。だからこれは私の大事なお守り。告白した時だって持ってたんだから！」
ミ「それ、高校んときに俺がサクラにやったんだ。肩掛けよりももっと昔にさ」
カ「……。返そうか？」
ミ「いや。お前が持ってる方がいいさ」
ツ「さくらという言葉は、神への尊敬後「さ」と座る意味の「くら」でできているそうです。だから「桜」は昔から神が座る場所だとされたようです」
ミ「サクラってさ、実家に古い桜の木があって、すっげー大事にしてたんだ」
カ「……そっか」
ツ「……。願い事、決まりましたか？」
カ「……ほしい物があるんです」
ミ「俺も」
ツ「僕もです」
ミ「けど！　仕事は自分で探すから、サクラ」
ツ「彼氏がいようが年上だろうが」
三「努力してやんよ！」
カ「キーホルダー、もう一個ほしいなー」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ＢＧＭ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（終わり）
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-02-23T19:54:46+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>

</rdf:RDF>