3-2

***

どうしますか? 下界で手をお出しになった人間ですよね?

どうしよ……。まさか死ぬとは思わなかった。……どうしよ……

……やっぱり、お優しいですね(ボソっと)

よし、決めたわ。あの子に御遣いやらせる

っ、本気ですか!? 生前、何の功も成していない一介の人間を遣わすと?

凄いからやってもらうんじゃないわ。秘めていそうだからやらせるのよ。あの子も下界も救われて一石二鳥じゃない?

屁理屈言わないで下さいっ!

ごめんごめん、私が悪かったわ。でもね、大丈夫ダイジョブ。使者なんて誰
にでもできる訳じゃないんだから。私があの子にやってほしいのよ。さっきも言ったけど、一石二鳥でしょ? どっちも救われて

……。分かりました。理解しました。――謹啓、我が真名において、我が主、我が眷属を思い、恩名、恩詔により、彼者に助力せんと、つつしんで歳徳神に申し上げるとして、謹言――

ありがとう。助かります。マリ (複雑そうに微笑んで)

―― あなたはずるいです
(はける)

……。トシトク神……。っ、私なんて……楽天系の神なんてこんなもんなのよ。こんな風になるなら、一生髪を飾るただの櫛のままで良かった……

タンタンタン。コトコトコト

と、言う訳で

どういう訳ですか?

あなたは使者に選ばれましたので、しっかり御勤めして下さい

わ、私に、できるでしょうか……?

大丈夫でしょう。基本はマニュアル本があるそうですから

し、失敗したら、どうなるんですか……?

滅多なことでは失敗はありえませんよ。ご安心ください。

は、はい……! 頑張り、ます

よろしくお願いします

あ、あの、それで、わ、私は一体何をすれば?

……。そうでしたそうでした。御勤めの内容ですが、こちらを預かって参りました
(巻物っぽいの)
要約すると、『生前御世話になった大切な人達の夢枕に立て』ってことですね。はい。……

そ、そんなこと、できません……

何故ですか? 危険はさほどありませんが……

だ、だって…… 夢枕なんて、信じてないし

……あなたの今の状況的には非常に自然ですが……

そ、そんな能力とか、ありませんし

(溜息)
先ほど言ったマニュアルに、夢枕の方法は載っているので、特に問題はありませんが……

む、無理無理無理無理い!! そんなの絶対無理ですよぉ わ、私なんて、何の取り柄もない地味で冴えない平凡、ううん、それ以下のおこがましくも知恵を持ってしまっている底辺の生き物なんですからぁ……

っ!
(平手)
大層なことを言うのもたいがいにして下さい! 知恵を持ったことを! 人間に生まれたことを! 普通であれたことを! あなたは何だと思っているのですか!? あなたはご覧になったでしょう? 全てを始めた、あなたに全てを御与えになった方を! あなたはその目に一体何を映しているのですか! それ以下!? あなたは自分を廃棄物か何かと勘違いしてませんか? 知恵をもってしまった!? 知的生命体なんですから当然でしょう? 底辺の生き物!? あなたは少しでも努力しましたか? ふざけないで下さいっ。あるもの全てを当然と思うなら、無いものの存在も認めるべきです。あなたは……人間なのでしょう?

…………わ、私……ご、ごめんなさい……――

―― ! ……申し訳ありません。……時間がおしいです。行きましょう

……は、はい

***

タンタンタン。コトコトコト

自らを貶める発言なんて、彼女にとってはごく自然なことだった。だってそうすれば、皆が仲間に入れてくれてたから。だから、正直何故怒られたのかは分からなかった。ただ、怒られたのは……初めてだった

あなたはこの先、どう変わっていくのかな――?
(マリを見る)

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