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***

暗い暗い海の中。

深い深い森の奥。

遠い遠いあの向こう。

冷たい冷たい不幸の荒野。

一人ぼっちの女の子。

大事な家族。失くした彼女は泣きました。泣いて泣いて、現れた黒騎士さんは、その子とずっと一緒にいると約束しました。けれど真っ白な勇者様、黒は悪だと言いました。

黒は悪だと

一人ぼっちの女の子。

大事なナイトのおにいさん。失くした彼女は泣きました。泣いて泣いて、真っ白な勇者様は、その子にずっと一緒にいるよう言いました。

一人ぼっちの女の子。

けれど彼女は泣きました。たった一人で泣きました。たった一人の心の中で、泣きました。たった一人の女の子。

たった、一人ぼっちの女の子。

***

……そうですか。それは、つらかったですね。苦しかったですね。でももう、大丈夫ダイジョブ
――安心なさい。あなたには加護があります。

謹啓、あなたには加護があります


四神、八将神、十二天将、天狗、天道、天女、天白神も道祖神も、

あらゆる全てが、

あらゆる万物が、

あらゆる創造者が、

あらゆる守護者が、汝に有在する全ての大小の罪を払拭せん。大丈夫よ。はい、合掌で祈祷! ――

***

くあぁあ(のび)、今日の分終わりぃ、かな。なーんか、最近本当忙しいわー。ていうか子ども多くない? そんなに詰まんないのかねぇ……生きる事って

知らないんですかクシ姫? 最近下界では『いきすぎたいじめ』っていうのが問題になっているんですよ

いじめねぇ。軟弱だわ、最近の輩は。やられたらやりかえしなさいよ

(溜息)
月日を経るごとに彼らは薄くなっているのですよ。それから、人前ではそういった発言、控えて下さいよ? ていうか、旦那が泣きますよ、歳取神殿

心配には及ばないわ。命の恩人であるあの方の前じゃ、ちゃーんと素敵な理想の奥さんやってますからー。そしてひとのことを年寄りみたいに言わないでくれるかしら。私はトシトリではなくトシトクよ、陽炎?

あいかわらずのようで何よりです。ところで、そもそも自分がここに来たのは、クシ姫が変わった話しを持っていると聞いたからなのですが、噂は噂で
すか?

ん? 変わった……? あぁ、こないだ降りたときに、おもしろい子を見つけたのよ

また手を出したんですか、姫? ウー様みたいなレベルでまずいですよ

あんた、ウーちゃんとホント仲イイわね。でも心外だわぁ。ウーちゃんとは仲良しだけど、同等に見られるのは困るわ。ていうか間違ってるわ。あの子は神で、炎で、不幸で、老いたコヨーテよ。私とは、絶対的に違う……

…… あなただって、神ですよ……

***

そう! 私は神だ。私は不幸な幸福の神である。私は、今の私になることは選んだが、今の私は与えられたものだ。私は生まれる前から、もとい、死ぬ前から、こうなってしまう運命だったに違いない。だから私は神である。何があろうと、どんな風体であろうと、私は、絶対に、間違いなく、神である。神以外の何者でもないのだ

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