ジュン登場。
ジュ「姉さまー、マーチだけ遅刻だそうよ」
ジェ「分かったわ。もういいわよ、フェブリオ」
ノバ「こりゃ、ホントにビックリ仰天だ」
カエ「いつか聞いた言葉だね」
ノバ「今回は褒めてんだよ」
ジェ「カエサル様。今後実質的にこの地の舵を取るのはあなたよ」
カエ「そんな事、私に言って大丈夫なのかい?」
フェ「今更運命は変わらない」
ノバ「ですてにーぃ」
ジュ「何何? このギスギスした雰囲気は」
ジェ「ひとつ忠告よ。ノバ」
ノバ「……月桂樹は受け取るな」
カエ「王の証である月桂樹か?」
ジェ「それで、ひとつお願いがあるの」
カエ「……私でよければ」
ジュ「姉さま、ジュンが言うよ」
ジェ「ジュン……」
ジュ「ユリウス様。あなたはこの先、ローマの文化の改革にもきっと着手するわ。来世まで残る建築物とか、後世に伝えられる文献とか、あとは、暦の変更、とか」
カエ「それで?」
ジェ「日の数をいじるのはいいの。だけど、どうか月の数は触らないでほしい。特に、減らしたりなんか……」
カエ「それだけ?」
ノバ「それだけって、いのかよ」
カエ「全く問題ないよ。暦のことをどこで知ったのかは知らないけど、日数は少し手を加えたいとは思っていたけど、そこまで大きな変化はさせるつもり、ないよ」
フェ「そう、か」
ジュ「本当に、いいの?」
カエ「お安い御用さ。確かに果たそう」
ジェ「寛大なお心に感謝いたしますわ。今後の活躍をお祈りします」
ジュ「良かったね、ジェニー姉さま!」
ジェ「ええ、本当に」
ジェニー、ジュンはける。
フェ「姉さんの願い、かなえてほしい」
カエ「約束しよう」
フェ「……ありがとう」
フェブリオはける。
ノバ「兄さんが礼を言うとこ、はじめて見たぜ」
カエ「そうなのか?」
ノバ「ま、とにかくサンキュー! じゃあな」
カエ「ああ」
ノバはける。
カエ「それ自体が神であり、世界が自身の霊魂を流出する、か……。なんだか、暖かいな」
カエ「アントニウス、その月桂樹は受け取れない。そうだな、カピトル神殿に捧げてくれ」
順に登場。
ジェ「変わる」
フェ「ローマが変わる」
ジュ「時代が変わる」
ノバ「世界が変わる」
ジェ「私たちの世界が、変わる」
フェ「元老院は制圧された」
ジュ「確固たるローマ支配権」
ノバ「訪れた共和政」
ジェ「民の拍手喝采が響く」
フェ「男は公言する」
ジュ「灰色の瞳が訴える」
ノバ「誇り高き王はうなる」
ジェ「ローマは声高らかに」
カエ「私の発言は法律とみなされるべきだ!」
カエサルはける。
4人、本を囲んで。
ジュ「月桂樹を持たない王様かぁ」
ノバ「王様じゃねえんだろ?」
フェ「共和政になったからね」
ジェ「でも、見て」
ノバ「共和政ローマは白昼夢にすぎない」
フェ「実体も外観も無く、名前だけにすぎない」
ノバ「ほんと、面白い奴だったよな」
ジュ「一体どこまで先を見ていたのかしら?」
フェ「暦の僕達にだって分からないよ」
ジュ「でもこのガリア戦記は面白いね」
ノバ「ほんとに何でもできちまうんだな、あいつ」
ジェ「だからこそ、彼はもっとブルトゥスやロンギヌスを警戒すべきだったわ」
フェ「ジャニュアリーは手厳しいな」
ジェ「あら、カエサルの死に際に突っ立っていたあなたは冷たいんじゃない、フェブアリー?」
ジュ「あんまり興奮しないでよ、二人とも。また吹雪いちゃうから」
ノバ「ジュンだってツンツンしちゃってよー。分けるような幸せどこにあるんだよ」
ジュ「花嫁たちに分けちゃってるからツンツンしてんのよ」
ジェ「ジュンは可愛いとこあるからいいのよねー」
フェ「え、ジュンてデレるの?」
ジュ「ばか?」
フェ「おいおい、ちょっとは僕を大事にしてくれよ。今年は閏年なんだから」
ノバ「新しい暦になってからフェブアリー調子に乗ってるよなー」
フェ「ノーベンバーまで酷いな」
ジェ「馬鹿なフェブアリー」
ノバ「あーあー! なんか最近面白くねえなー!」
ジュ「うるさい」
フェ「カエサルが殺されてから特に何もないからねー……って! 何すんだよ、ノーベンバー!」
ノバ「何かむかついた」
フェ「はあ!?」
ジュ「うるさい」
ジェ「そうでもないみたいよ?」
3人「え?」
ジェ「新しい皇帝がアウグストゥスだとか」
ノバ「まじ!?」
ジュ「また分岐点?」
フェ「そういや、オーガストは?」
ノバ「あいつはオーギュストだろ? フェブリオ兄さん!」
ジュ「また兄弟ごっこぉ?」
フェ「どうする? ジェニー姉さん!」
ジェ「まあ、いいんじゃない?」
ノバ「よっしゃ!」
ジェ「先に行くわよ!」
ジェニーはける。
ジュ「あ、抜け駆けはずるいわ!」
ジュンはける。
フェ「ルールは、守らないと」
フェブリオはける。
ノバ「あ、待てよお前ら! ったく……」
ノバ、何かに気付いて。
ノバ「! じゃあな、お前も元気でな。俺も案外、面白えお前が好きだったぜ。またな」
ノバはける。


                                      (終わり)
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