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(違う場所)

(顔を覆う)
(大きく落胆)

あぁ、どうしていつもこうなってしまうのでしょう

まったくだ。いつもいつもこうじゃこっちの身が持たないよ


そちらの黒い方に尋ねてみなさいな

真っ赤なひとが何か言ってるわね

(ぐるぐる動きながら)

前回は三日前のお茶会でしたね

だいたい、こうも喧嘩になるような話題が豊富なのか?

喧嘩? 冗談でしょ

ちょっと魔法使い。言葉は選びなさいよ!

それはやっぱり、女王様ですから

ちょ、真似しないでいただけますぅ?

赤がいいだの黒がいいだの、好みの問題だろ

赤こそが史上最強よ

黒が圧倒的に決まってるじゃない

あぁ、お腹の中まで染まっていらっしゃるものねぇ

あら、脳みそまで真っ赤よりは随分ましですわ

紅茶の銘柄(めいがら)も好みですよね

紅茶にはセンスが現れるのよ

趣味の良いものをお飲みになったら?

センスって言ったら貴女、あの趣味の悪い真っ黒なお庭は何かしら

あーら、部屋中真っ赤なよりはましだわ

その前はなんだ、髪の結(ゆ)い型がどうとか

手の組み方なんかもありました

サラダのドレッシングの量とかね

我らが女王様が引きさがるとは思えない

我らが女王が撤退するはずがない

よろしい御趣味です事。あぁ、なるほど。頭の中まで真っ赤なもんだから、そういう風体(ふうてい)なのね。ていうか、何、その金ぴかの王冠は。パクリですの?

貴女ほどではなくてよ? せっかくの白銀の冠も、今にたいそう惜しまれるでしょうね。黒く変色してきて。おほほほ……

まぁ、全身クリスマスみたいな人には敵(かな)いませんよぉ。おほほ……

おーっほっほっほっほっほ!……
(しばらく笑い続ける)

(女王たちから目をはなして)
金だの銀だのと争いはしたくない

黒や赤やと揉(も)めるのは時間と労力の無駄ですし……

何より面倒だ……

(見合って)
お互い苦労しますね

まるで苦労するのが好きな変態(へんたい)のようだな

くっくっくっくっ……

物は相談なのですが、黒の魔法使い殿

奇遇だな、赤の従者
(うなずく)

(場転)

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