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（捜しながら登場）
ちょっと？　いないの！？　まったく。いつもフラフラと……

（魔法使い登場）
お呼びですか、女王？

一体どこへ行っていたの？　貴方(あなた)が何をしようと勝手だけど、必要なときにいないのは職務(しょくむ)怠慢(たいまん)だわ

はぁ、すみません。実は今しがた城門付近で隣国の使者に遭いまして

私の治めるこの国で、一体なんの用かしら？

それがどうやら、あちらの主(あるじ)が我らが名主に手紙を、とのことで

私に？　この誇り高き名君(めいくん)である私に？

ええ。夜よりも漆黒(しっこく)で、黒檀(こくたん)よりも艶(つや)やかな我らが黒の女王陛下

どうせまた御機嫌(ごきげん)とりでしょ

白銀(はくぎん)の王冠を授(さず)かる黒の女王の名声は、遠く海の向こうまで知られていますから

ゴマすりタヌキが増えたって嬉しくなんかないわ。だって私は黒の女王

国を治める我らが名主は何人(なんぴと)たりとも仇(あだ)なすものは許さない

さあ、魔法使い。いつものように仕事をはじめましょう

はい女王陛下（おじぎ）

（場転）

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