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はぁ、何だかここひと月ほど、疲れているわ……このお茶会だってあんまり乗り気じゃなかったけど……魔法使い、今日は私の国では大事な大事な庭当番だし、引きこもっていてもどんどん憂鬱になっていきそうなんだもん。だけど、こんなときに限って、あの女王とかに会ったり……

（赤の女王登場）

最悪

二週間ぶりかしら。久しぶりのお茶会だと言うのに、ついてないわ

それはこっちのセリフ

最近疲労が激しいのはきっとどこかの黒い人のせいです

同感……原因は赤だけどね

なんと言いますか

なんも言えないくらい

疲労(ひろう)困憊(こんぱい)
（溜息）

センスの良い紅茶を頂いてこようっと

私は赤いジャムのお菓子を――

あ、あれは……！

（袖を見て）
王子！

どうしてこのような場所に……

お茶会の、関係者…？

…え…？

隣国の王子のことをご存じですの？

文通王子を知ってらっしゃるの？

（見合わせて、笑い）

白銀の王冠、今日は一段と輝いてるわね

赤いドレス、今日は一段と映えてるわよ

おすすめの紅茶、教えて下さる？

赤いジャムのお菓子、何がいいかしら？

負けませんわよ？

望むところだわ

（場転）

黒の魔法使い、どういうことだ？

赤の従者、聞くな。さっぱりだから

我らが名主は紅茶の好みが増えたようだ

我らが名主は赤色のジャムを度々(たびたび)所望(しょもう)するよ

あぁ、困った。女王様は一体どうされたのだ

はぁ、参った。女王にどのように接すればよいのか……

参ったのか、魔法使い？

いいや。困ったのか、従者？

いいえ。お互い苦労しますね

苦労するのが好きなんだよ、きっと

変態なのですか？

似た者同士なんだろう？

我らが名主たちも、ですね
（嬉しそうに）

導火線は他国の麗(うるわ)しい王子様でしたとさ

？　何か言いましたか？

いいや。ただ、まるで魔法のようだと、思っただけさ




End

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