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コトコトコトコト

暗い暗い海の中。

深い深い森の奥。

遠い遠いあの向こう。

冷たい冷たい不幸の荒野。

まるでピエロ

皆々、笑い顔

笑わぬ素顔は仮面の向こう

差しのべられた無数の手

救わぬその手は千里先

いらない子どもはいなかった

いらなくなったら捨てるから

いらない子どもはいなくなる

恐れた少年コヨーテ、笑ってみせた

いらなくなるのが嫌だから

有能。優秀。お前はなんていいやつだ!

必要とされる喜び

捨てられない安心

必要とされる幸福

捨てられない甘美な不幸

怒り。悲しみ

烈火の心

だけど、未来なんて真っ白だ。そんな中で殊更輝く炎もあった

***

―― ご存知でしたか? 使者様が、自身にああしてずっと傷を付け続けていたこと

……。私も、あの子と同じよ。結局、自分で自分を傷つけた

だ、だからこそ…… 姫だからこそ、彼女のことを一番理解してあげられるんじゃなのですか!?

(溜息)
どうして? どうして私があの子のことを分かってやれると、言いきれるのよっ!

それは……あなたが神だから――っ!

神が万能だと思わないで! だったら世界平和なんて言葉、存在しないわよ。最初から争いごとなんて無いんだから!

(ウー登場)

はいはい、そこまでだよ、二人とも。そんな大きな声じゃ、いろんな神々に聞こえるよ?

! ウー様

…… いつからそこに?

愚問だな。ボクはいつだってどこにだって存在するよ?

(溜息)
我が友よ。君ならこの場はどう収めるのかな?

ふむ。なぁ同志陽炎よ。お前の気持ちもよーく分かる。が、誰かが誰かに理解されるっていうのは、そんなに簡単なことではないよ。約束通りボクも手伝う。クシ姫ばかりに押し付けるのは、感心しないな。結局のところ、最終的に自分のことは自分にしか分かり得ないのだと思うよ。姫も、お前も、ボクもまた然り。ボクを分かってやれるのはボクだけさ

……。(怪訝そうに)失礼いたします―― !
(一礼してはける)

(肩をすくめる)
どしたの、彼女?

さあね。大方、使者の子にでもあてられたんでしょ

ふーん。……最高の友は、最悪の敵だね――。 それにしても君たちはどうやっても交わらない運命みたいだね

勝手に言ってなさい。
……まだ何か用?

ウィーウィ。そんな状態の君をホッタラカシはまずいだろ

同じ楽天系の神として?

いいや。我が最愛の友の友人として、だよ

***

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