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	<title>NOVEL - INDULGENZA</title>
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	<description>indulgenza；イタリア語で気ままという意味</description>
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		<title>Ⅴ:</title>

		<description>    ここで少々思案してみよう。
    辺…</description>
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			<![CDATA[     ここで少々思案してみよう。
    辺りは随分薄暗く、あと小一時間もすれば雨が降ってきそうな曇天ではあるが、人通りもなく、不審な建物の目の前で随分奇妙な状況ではあるが、僕はここで少し考えてみようと思う。        
    つまりこの、マーブル状のベージュ色のレンガに、こざっぱりした、けれども掃除は行き届いているような小さな窓のある――ようするに、このレトロ感あふれる、あまり日本では見かけないような外観のこの一戸建ての建築物が、なぜだか昨日までは全く見たことがなかったということについて、僕は思案してみようと思うのだ。
    と言っても、探偵でもなければ警察官を目指しているわけでもない、加えて、たいして頭も良くないこんな僕が、そもそも、今分かっている、つまり建物の状態なんかの確認以外には、特に何か考える必要など、考える事項などないわけだが。
    だが、やはり一つあえて言うならば、今目の前に当然のようにあるこの建物が、僕には全く覚えがないということだろう。 ]]>
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		<dc:date>2015-10-30T16:30:56+09:00</dc:date>
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		<title>エティエンヌ・ド・ヴィニョル</title>

		<description>聖女に魅了された男がいた。
戦術に長け…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 聖女に魅了された男がいた。
戦術に長け、また自身も優秀な騎兵であった。
具体的ではない使命感、きっと自分がやらねばならないのだ。
求められることには応えるだけだ。
そんな、そんな充実した一生を全うしていくのだと思っていた。
受け入れていた。
だからなのだろう。
一心に祈りを捧げる聖女を見たとき、私は気づかされた。
己が空虚であることを。
神のお告げを聞く少女がいるという噂を耳にしたのは、間もなくこの街も戦禍にのまれるようだという頃であった。
物好きなものだ。稽古の帰りに私はそう思って、気にも止めなかった。
だが、三ヶ月後に頭蓋を揺さぶられるようにその記憶が呼び起こされた。
祭壇のもとで祈るその女を見てすぐに分かった。
ああ、彼女が奇跡の少女に違いない、と。
まだあどけなさを残した少女であった。
これから戦なのだと言った。
世の中など、簡単には変わらないと知っていた。
人の世から戦が絶えることはないと分かっていた。
だが、願ってみてもいいかもしれないと思った。
世の中が変わることを。
戦が無くなることを。
だから、努めてみようと思った。
堅実な変革を。
戦争の終結を。
私にはできないが、聖女にならきっとできるだろう。
だから私は聖女の剣の一本になろう。
私には目の前の障害を打ち破ることしかできないし、彼女には多くの剣があるから。
――ラ・イル。
初めて名を呼ばれたときは驚いた。
大切な戦友の名ですから――。
どうせ指揮を執っているのはあの軍師だろう。都合のよい人形にすぎない、と思っていた。だが彼女は、民が噂するように、神の言葉を聞き、兵士の士気を高め、先導する尊い聖女であった。
勝ち戦が続いたが、自軍の戦力も使えば消耗するし、人は死ぬ。
その度に聖女は死者の冥福を祈る。
聖女は兵士という言葉を嫌い、集った者達を戦友と呼んだ。
当然のことだと思っていたのだ。
聖女だから、と。
教会の祭壇の傍でいつものように祈る彼女の肩が震えているのを見るまでは。
私は、戦いの前に祈るようにした。
自分の願いと、仲間の無事と、それから皆の事を思い、祈りを捧げる少女のために。
しかし私は神を呪った。
あれ程あなたを信じ、祈りを、心を、存在を捧げたというのに、神はなんと惨いことだろう。
捕らわれた聖女を救うための剣の叫びは届かなかった。
私には、あなたのために立ち塞がる者を凪ぎ払うことしかできないのだ。
私は盾でなければ、護るための剣でもなかった。
業火に包まれる少女を目にして、私は気づかされた。
己が無力であることを。
ジャンヌ…。
パテーの戦いの前に、一度彼女と話をしたことがある。
その一度きりである。
少女の名を口にしたのは。
燃える彼女を見て、私は名を口にすることが出来なかった。
呟けば誰かに聞かれるかもしれない。
兵に捕まるかもしれない。
仲間だったと分かれば私も殺される。
だが――。
ノルマンディ地方の軍将に憤怒の異名を持つ男がいる。
知将であり、また自身も百戦錬磨の戦士である。
男は兵士という言葉を嫌い、神を嫌った。
男は昔のある戦の前に、一度だけ少女と話をしたことがある。
その一度きりである。
少女の名を口にしたのは。
奇跡の少女と言われた彼女は、炎の中で死に行くとき、その最期まで、神のお告げを聞く聖女であった。
私は、人の罪架を背負って一生を生きていくのだと、決めている。
男の名は、怒れる士ラ・イル。
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		<dc:date>2014-04-19T13:43:56+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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		<title>竜の花嫁</title>

		<description>「ハグはいいけど、キスはダメだよ？」
…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「ハグはいいけど、キスはダメだよ？」
「キ!!……」
一瞬にして顔が熱くなる。
死にたい。いや寧ろ死ね。ていうか、今なら恥ずかしさで十分死ねるわ。
だが、そんな私をよそにキースはいつものあの傲岸不遜な笑みを称えてから、扉の向こうに消えた。
「……」
かーっと燃えた顔が落ち着くまで、目をぎゅっとつむって、しばらく私は俯いていた。
外からの風が冷たい。
この辺りは本当に夜が気持ちいい。
天井から床まで石造りのこの部屋の、元々のひんやりした空気もあって、火照った顔はすぐに冷めてきた。
キースのああいう言葉はいつものことじゃない！
ゆっくり息を吐く。
肺に夜の空気が入ってくる。
そうしてふっと頬がゆるむ。
気持ちを告げた今でも、キースが言うみたいなそういう事は、正直恥ずかしすぎて顔を覆ってしまうのだけど、それでもやっぱり、嬉しいものは嬉しい。
「……そういうことも、いずれ、ね……」
キス……。
そっと唇を指先で触れてみる。
「何、そういうことって？」
「っ!!」
唐突な声に振り向く。
「ただいま」
ずいぶんボロボロになってはいるけど、目の前の彼は、出ていった時のような無愛想な顔で、私にそう言った。
もう泣きそう。嬉しさで胸が苦しい。
「おかえり。ラウーロ」
二歩で踏み切って、帰ってきた大好きな人に飛びつく。
ラウーロは、頼りにならない声をあげながらしっかりと受け止めてくれる。
「っ……ラウーロ、ラウーロ」
子供みたいに泣く私に、彼は少し困っていたけど、優しい声で、同じ数だけ私の名を呼んでくれた。
ぎゅーっと抱き締めてくれて、だからその後のキスもすごく自然だった。
触れるだけの、優しい口づけ。
やわらかな月光がラウーロを照らす。
銀の髪がきらきら光って、満月のせいで空に見えない星々が、ラウーロに集まっているような。
大空よりも深い、海よりも澄んだ瑠璃色の瞳が、私をとらえてはなさない。
「ファーネル……」
「きれい…まるで星の海だわ」
「ファーネル…？」
「ねえ、ラウーロ。今日のあなた、一段と綺麗だわ」
少しだけ驚いた顔をしてから、ラウーロは私を抱えあげた。
小さな悲鳴が漏れかけた。
華奢な腕に持ち上げられたと思った直後には、ラウーロの手足は大きく瑠璃色の甲殻に覆われ、背中には硬い翼があった。
竜の一族…。
大空を駆ける彼らは、その力が強いほど空の色に近づく。そしてそれは彼らをより強く、美しくする。
鮮やかな青ほど、その竜の強さを示す。
「ラウーロ…？」
「嬉しいけど…そういう台詞は男が言うものだよ」
ラウーロの顔は甲殻に隠れて見えない。
きっと反対側なら見えただろう。
私が奪った彼の鱗。
彼の一部。
ふわりと翼を動かし、ラウーロは私を肩に乗せたまま、地を蹴った。
唐突で静かな生還と同じように、音も無く空へのぼる。
夜の冷たい空気。
風のなかに星の欠片がまじっていそう。
きらきら。きらきら。
「ラウーロ！」
『なに？』
「とっても綺麗ね」
『そう』
竜の姿のときのラウーロは一層感情が分かりづらい。
それでも私は目に映る全部を言葉にしたい。
そうして伝えたい。
「ラウーロ！」
『なに？』
「私、この国が好きだわ。月がこんなに近いのも、夜風がこんなに優しいのも、大地が広いのも、空が高いのも！」
高度があがる。
体を余すところなく風が滑っていく。
「でもやっぱり、あなたがいるからよ」
抱きついた首元の、覆う鱗にほんのり熱を感じる。
胸元にさげた瑠璃色の鱗に触れる。
私が持てるラウーロの一部。
月明かりの中で、大好きなひとに触れている。
ラウーロの体に頬をつける。
鱗の表面は冷たくて気持ちいい。
目を伏せて、呟いてみる。
「ラウーロ」
『ん？』
こんな小さな声でも応えてくれる。
だから私は囁くの。
彼にだけ聞こえる声で、彼にだけ聞こえるように。
彼の為に言葉を紡ぐ。
「好きよ」
首をかしげ、ラウーロは鱗に覆われた顔でそっと私に触れた。
『ああ、知ってるよ』
言葉を伝える。
言葉で伝えられる。
答えてくれる。
嬉しさで胸が苦しいわ。
熱を帯びた胸と顔を、月光が風と共にやって来ては流れて行く。
私は明日、竜の花嫁になる。
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		<dc:date>2014-02-16T13:08:14+09:00</dc:date>
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		<title>第５章　日常の向こう岸</title>

		<description>冷たさを色で表すなら、何だろう。
寒色…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 冷たさを色で表すなら、何だろう。
寒色であるところの青系統のどれかだろうか。
または雪と同じ白か。
あるいはあの寒々しい空のような黒かもしれない。
個人的に灰色――つまり白でもなく黒でもない曖昧なあの色は、
グレーというやつを、俺は寒色とは認められない。 
曇天を見よ。灰色という言葉でひとくくりにするにはあまりにも膨大な数の色合いだ。
あの厚い雲にあれほどの色を示す灰色という奴を、どうして寒色と言えよう。
だが俺は、別段灰色について誰かと語り合いたいわけではない。あくまでこれは個人的な思いで、だから勝手であろうとそれは当たり前なので、身勝手に俺は続けよう。
俺はつまり、冷たさが何色なのかを知りたいわけでもない。
ようするに冷たさとは、人によって何色にでも感じられるだろうし、冷たさとはただの感覚であって、視覚情報に変換するのは極めて困難だろう。
冷たいとは寒いという感覚だ。
肌から読み取り感覚神経を経て脳に伝わる。
だから冷たさとは色で表すものではないのだ。
好んでそんなことをするのは、それこそ芸術家の仕事であって、俺の領分ではない。
そういう、色とかでは示せない「冷たさ」という奴を、だから具現化するならば、おそらく今目の前にいる彼女がそうなのだろう。
漆黒の髪はこの月夜の森の暗闇よりも黒く、白い衣に映える程だ。
きっと冷たさとは、灰色では表せないのだろう。
冷たく光る真っ黒な瞳は、俺を見据えたままだ。
「あんたは、誰だ」
彼女はさっきそう言った。
意識してちいさく息を吸う。
「俺は、早乙女夢耕」
言ってから再び気付いた。
だから声が出ないんだよ。
話せないことを身振り手振りで伝えようと試みるが、正面の彼女は一層警戒を強める。
「言葉は、分からないのか」
感情の読めない言葉がもう一度発せられたが、女の苦しそうな様子は見て取れた。
医学的な知識は持っていないが、おびただしい出血だった。
意識を保ち、一瞬であれだけ動けるのが不思議なほどに。
「だ、大丈夫ですか？」
音も出ない口を開き、一歩前に出る、が、瞬間、臨戦態勢をとられ、それ以上動くのをやめた。
どうすれば意思の疎通が図れるのか。
逡巡していると、今度は女の方が動いた。
真っ赤に染まった腹部を抑える手とは反対の手をおろすと、腕に巻かれた鎖が音を立てながらほどけていく。
肘の少し上まで鎖が素早く解けると、その腕を振りかぶった。
一瞬遅れて左の方で地面がこすれる音がたった。
ジャッっと鋭い音がしたかと思うと、目の前の彼女は突き上げた手で何かを握ったように見えた。
見えないが、そこに何かがあるのだろう。
普通ではありえないことのはずなのに、この状況で俺は簡単にそう理解していた。
この状況を受け入れているように。
だが、現在の状況が分かってるからといって、これからの状況を甘んじて受けるわけにもいかないだろう。
今までに見た事のない女がいくら美しかろうと、そこにあるのは明らかな敵対心だ。
例えうまく意思が伝わろうと、旅の者ですがと言って宿に宿泊させえもらえるような相手では決してない。
ましてや今はまともな意思疎通すらできないのだ。
コマンドは「逃げる」を選択するのがベストだろう。
だがしかし、一体どこへ？
今更であるが、ここはどこだ。
無論今まで俺がいた所――つまり学校の教室でないことは一目瞭然だ。
そもそもこんな鬱蒼とした森を、俺の１６年の人生で見た事は無い。
おまけに目の前の彼女が何者なのか知らないが、どうも逃げ切れる気がしない。
ケガした女の子が腕一本で引き寄せた何かがまともな物でもないだろう。
考えあぐねていると、向かいの彼女はゆらりと揺れ、そのままこちらへ走ってくる――！
時計を気にしていた審判が無表情でホイッスルを鳴らそうとしている。
ふと見ると、向かってくる女が口を動かしていた。
「　　　」
小さな声で。
「……ウ」
「ムコウ」
「ムコウ」
俺の名前を呼ぶのだ。
どうして名前を……確かに名乗ったが、俺の声は……
繰り返し呼ぶその口元が、一瞬誰かと重なった気がした。
なぜか、少しだけ懐かしさを覚え――
「夢耕！」
耳元の声に一変に目が覚める。
勢いよくあげた俺の頭が何かに強くぶつかった。
「ってええええ！」
見ると朽哉が顎をおさえて叫んでいた。
「……朽、や……」
「何だよ急にー！　起きるなら起きるって言えよな！」
「ああ、悪ぃ……」
「いや今のはつっこめよ」
朽哉がいる。
机と椅子がある。
かすかに汗ばんだ手。
俺のよく知る所だ。
「にしてもお前、よく寝てたなー」
「俺、何か言ってなかったか……？」
「うんにゃ。すぴーっと気持ちよく寝てたぜ？　先生がつねってもピクリともしなかったから、皆笑ってよー」
「そう、か」
肩の力が抜けていく。
「なんだぁ？　寝てた割には顔色微妙だな。悪い夢でも見たか？」
朽哉は覗きこんで、八重歯を見せて笑う。
朽哉の明るさにはいつも助けられえいる気がするな。
「いや、もう戻ろう。次の授業に遅れる」
「何それ、ツッコミ待ち？　夢耕ってば全然授業聞いてねーじゃん！　ってな」
「うっせ」
教室のドアを後ろ手に閉めたとき、丁度チャイムが鳴った。
「やっべ。急げ急げ！」
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-12-29T17:49:30+09:00</dc:date>
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		<title>第４章 日常の片隅で</title>

		<description>１限目の授業が始まってからわずか１０分…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ １限目の授業が始まってからわずか１０分後、俺は睡魔に抱かれて夢の中にいた。
今朝見た夢と同じもの、いや、その終わりがけから始まっていた。

辺りは暗く、二つの月の片方がその光を失おうとしている。
白い衣をまとった黒髪の少女が、真赤に染まった腹部を抑えながら、荒い呼吸をしている。
ともすれば、目の前で足から崩れるようにして倒れた。
さすがに二度目となると、耐性ができてか、大声を出すことはなかったが、やはり落ち着いてはいられなかった。
倒れたその少女とは距離があり、その様子は分からない。
まだ意識があるのか、それとも気絶してしまったのか――あるいは、死んでしまったのか……
大きく息を吸い、手をきつく握って駆け寄る。
――大丈夫ですか？
口にして驚いた。
否、口にしようとして、驚いた。
声が出ないのだ。
呼吸はできるのに、音がまったく発しない。
またたく間に全身の毛が粟立つような、恐怖という感情に襲われる。
今の今までできていた呼吸すらも、急にできなくなって――
目の前の少女の手が僅かに動いた。
慌てて彼女の顔を覗き込む。
――あ、あの、あの！　しっかりして下さい！
声が出ないことも忘れて、それでも呼びかけた。
見たところ怪我をしているのは腹部だけのようだが、他にもあるかもしれない。
下手に動かすこともできず、ひたすら声なき声で呼びかける。
先刻かすかに動いた右手が、その周りを、何かを探すように動いた。
だが、周辺には何も落ちていない。
無意識にその手をとろうとした瞬間、彼女は僅かにその目を開けた。
そして――え？　という声、声なき声が出る頃には――俺は彼女から２メートル程離れた位置で背中から転んでいた。
起きた事を理解するまでの俺の顔は、これまでにないほど間抜けだったろう。
何が。
そうだ、急に目を開けて、それと同時に俺は突き飛ばされたのだ。
突き飛ばしながら、彼女は後方に跳んだ。
荒い呼吸のまま、その少女はこちらを睨む。
黒い目をこれほど綺麗だと思ったことはない。
迫力を伴う大きくて綺麗な瞳だ。
その瞳が、俺を睨みながらも、一瞬左にずれた。
俺も目だけでそこらを見るが、特に変わったことはない。
だが、彼女の目はまるでそこにある何かを確認したように思えた。
「……あんたは」
初めてしっかりとその声を聞いた気がする。
「――あんたは、誰だ」
いつの間にか再開していた俺の呼吸は、再び止まりそうだった。
目の前の少女の、美しさにのまれて。
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-21T17:28:36+09:00</dc:date>
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		<title>第3章　日常の中の日常</title>

		<description>「それで？」
「だから、体育祭だよ！」…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「それで？」
「だから、体育祭だよ！」
言いながら、朽哉は前の席の椅子にまたがる。
さっきまでその席にいた嵐山はいつのまにかいなくなっていた。
おそらくいつもの連中とどこかに行ったのだろう。
「体育祭と――委員長と、何が関係あるんだよ？」
思わずあくびが出てしまい、口を手で覆う。
「夢耕、お前ってほんっと人の話し聞かねえのな」
「そんなことない。来週から始まる体育祭についてだろ？
　さっき先生も言ってたからな」
「じゃあ訂正するよ。
　夢耕、お前ってほんっと俺の話し聞かねえのな！」
「おいおい、冗談だよ。だから近いって」
顔をしかめて詰め寄る朽哉に、再び同じことを言った。
朽哉は途端に真面目な顔になって言う。
「いいか、夢耕。よく聞けよ？
　今年の体育祭、我が校の３大美女の全員が、同じ白団なんだよ」
「ていうと……」
風ノ上第二高校の本年度の３大美女。
基本的には１学年一人輩出されている。
生徒（主に男子生徒）による勝手な校内ランキングのようなものだ。
３年連続ランンクインしたのは、
３年生の桜前線を呼び寄せる魔女――桜木春香
新進気鋭の綺羅星は
１年生のひまわりの妖精――天衣睦美
そして、我らが聖女である
２年生の百花香る繚乱の蝶――小野田小百合
そんなような痛いタイトルを銘打って、
特棟４階の階段の上で、
写真部はこっそり彼女らの写真を売っているのだ。
誰がわざわざ特棟の最上階まで行って、
同級生の写真にお金を出すものか、と思えども、
実際購入者がいるから、今の状況なわけだが。
つまり、これほど噂になるような女子が今年の体育祭で白団に集中しているということだ。
「……何か困るのか？」
またあくびが出る。
「何言ってんだよお前は！　あの３人が同じ白団ってことは、白団である俺達もお近づきになれるチャンスがあるってことだぜ？」
「お近づきなってどうするんだよ」
俺、今年は白団なのか。あれ、去年もだったっけか……？
「は？　どうするってお前、そりゃ――えーと、メアド交換したり、普通に喋ったり、廊下ですれちがったら挨拶できたり……？」
「朽哉、お前自分からメールしないだろ。あとお前は誰にでも馴れ馴れしいよ」
それまでウキウキと元気な高校生らしい顔をしていた朽哉は小さく息を吐くと、俺のよく知るあいつの顔になった。
「なんだよー、せっかく皆みたいにテンション高くして絡んでやったのに。ほんと夢耕と話してるとそういうのが馬鹿らしくなるよ」
「実際馬鹿だろ」
「あー、夢耕くんてばひどーい。いいんだよ、俺みたいな男はスポーツができれば！」
「でもお前、嵐山に勝てたことないじゃん」
「あ……。ま、まぁ？　でも夢耕だって勉強で嵐山に勝てたことねえじゃん？」
「「……」」
嵐山ってすげーな。
時計は８時半を回ろうとしている。
１限目は英語。
２年生の英語は能力別クラス編成だ。
なんとなくいたたまれない雰囲気で、それに眠くて、それが嫌で俺は立った。
「そろそろ行くか。次移動教室だろ？」
朽哉は顎をしゃくれさせて、おう！　と言った。
教室を出て左右に別れる。
朽哉はスポーツができて、勉強もそこそこやっているが、あいつは英語が壊滅的なのだ。

 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-09-18T20:24:45+09:00</dc:date>
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		<title>縁世・愛世</title>

		<description>　午後から、急に雲行きが怪しくなった。…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　午後から、急に雲行きが怪しくなった。
「傘、持ってきてないなぁ・・・」
案の定、下校する頃には、立ち込める暗雲は大泣きしだした。

＊＊＊

　市場で見かけたあのお方は、昨日もいらっしゃらなかった。
今日もおいでにならないのならば、もう、この市場には来ないことと決めていた。
　細く通った鼻。切れ長の瞳。優しげな眼差し――。目を閉じれば、今でもあのお方のことが眼裏に浮かぶ。
日が傾き、質素な着物が紅に染まる。
太陽が西に沈みきる頃には、空が厚い雲に覆われていた。光とともに気温が失せ始めると、空はポツポツと、そして仕舞いには激しく泣いていた。
屋根も何もないところで、わたしはあのお方を待ち続けた。
すっかり暗くなり、一向にやむ気配のない雨は、冷えたわたしの体を打ち続けていた。
どれくらい経っただろうか。ふっと、雨たちはわたしを打つのをやめた。
「お入りなさい。体を壊してしまう」
顔をあげれば、そこには、わたしにそっと羽織をかけて下さるあの方がいらした。
「……っ―――」
　目の前の愛しい君の名を呼び、わたしはこの空のように泣いた。
　一緒に羽織をかぶり、雨をしのげる所までわたしたちは足早に歩いた。
　すぐ傍らで、耳にかかる吐息と、時折触れる肩が、わたしの命を削っているようだ。
いっそ、今ここで果ててしまいたい。離れてしまう前に、あのお方の傍で―――。
そう思える程、わたしは今この時が愛しい。
わたしはこのお方を慕っている。
きっと、来世でも、わたしはこの方に心を奪われるだろう――――。

＊＊＊

　溜息をつき、肩を落とす。
　一縷の望みにかけて、かばんの中をひっかきまわしたが、折り畳み傘はなかった。
　なす術がなく、昇降口で立ち往生していたわたしは、小降りになるのを待ってから、駅まで走ろうと決めた。
幸い今日は、かばん以外に荷物はない。今より雨がおさまれば、駅までの間くらい、少し濡れる程度で済むだろう。
うー、せっかくの制服が……
小さく溜息をおとす―――。
すると、いきなり横から声をかけられた。
「傘、ないの？」
驚いて隣を見れば、鼻が通った、切れ長の目の少年が傘を開いていた。
「うん。まぁ……」
「入りなよ。カゼ、ひくよ？」
　
胸の奥が、トクンと鳴った――――。

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		<dc:date>2012-03-15T16:20:43+09:00</dc:date>
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		<title>～その５～「アップルパイ」（終）</title>

		<description>「じゃじゃーん！」
夕食の直後、すごく…</description>
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			<![CDATA[ 「じゃじゃーん！」
夕食の直後、すごくうれしそうな笑顔で
ウィンリィは大きなお皿をかかえてやってきた。
お皿にはあまく、こおばしい香りと一緒に
おおきめのパイがのっていた。
「おぉ、アップルパイか」
「わぁ、おいしそうだねえ」
エドとアルが関心する。
「へへ」
得意そうな顔から、ウィンリィはふっとなつかしそうな顔になる。
「ちょっと前、グレイシアさんに教わったの」。
<del>　　　　　　　　　　　</del>
少しの沈黙。
　<del>　　　　</del>『ヒューズが死んだ』<del>　　　　</del>
大佐の言葉が脳裏を過る。
「ウィンリィ、き・・・・」
「おお！じゃぁ、食うか！　ほら、ウィンリィも食えよ」
アルの言葉をさえぎるように、
エドが陽気に言った。
「兄さんっ」
「アルっ！！」
「「っ　」」
エドの大声に２人が黙る。
「ごめん、兄さん」

分かっていた。
とうに。
いつか、いつかはきちんと話さなくちゃいけないことは。
だけど。
だけど今は。
今くらいは、幸せな時をすごそう。

「パイ、切るよ？」
ウィンリィは微笑み、言った。
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		<dc:date>2011-01-03T18:52:10+09:00</dc:date>
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		<title>～その４～「おかえり」</title>

		<description>「まったくっ、またなにかあぶないことし…</description>
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			<![CDATA[ 「まったくっ、またなにかあぶないことしてたでしょ！？」
ドライバーやペンチを手際よくあやつる少女が、
怒ったように言う。
「してねぇよ」
ベッドにあおむけになっているエドは、
天井を向いたまま言う。
「じゃぁ、なにしたら＜私の機械鎧＞が、
こんなことになるのよ！」
「なんでもねーよ、事故だよ」
もうっ！と少女はむくれる。
スパナを大きく回すと、はいっ終わり！と彼女は言う。
「ん。」
そういって起き上がるとエドは２，３回肩を回す。
「もっと大事にしてよね」
そういう彼女には、いつのまにか怒りは消えていた。
「おう！サンキュー、ウィンリィ」
するとそこで、戸をたたく音がし、戸が開く。
大きな鎧が頭をのぞかし、
「兄さん、ウィンリィ、ごはんだって」
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		<dc:date>2011-01-03T18:29:01+09:00</dc:date>
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		<title>　Ⅳ：変</title>

		<description>　冬休み初日。

　特にすることもなく…</description>
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			<![CDATA[ 　冬休み初日。

　特にすることもなく、会う人もいない僕は
　絵具の白と黒を、混ぜきれていないような空の下を歩いていた。

　　特に思うことも、考えることもなく
　ただぼーっと、そこを歩いていた。
　歩いていて。
　それは突然、そう、
　突然、あたりまえのようにそこに在った。

　マーブル状のベージュ色のレンガ。
　小ざっぱりした、それでいて掃除は行き届いているような小さな窓。
　滑らかな茶色のドア。
　そして真黒な屋根。

　それは、まるっきりに不自然で。
　得も言われぬ違和感があって。
　あきらかに周りの風景に不似合いで。
　だが、
　だが美しい――。
    と、素直に思った。
　嘆息する。
　　　　　あぁ、きれいって、きっとこういうのをいうんだなぁ・・・・
　だけど、
　と、現実をみる。
　その、だれもが声をそろえて美しいと言えるような建物は


　つい昨日までは、なかった。
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		<dc:date>2010-11-21T06:26:41+09:00</dc:date>
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		<title>第２章　非日常は未だ遠く</title>

		<description>喧騒が耳に痛い。
いつものことだが。
…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 喧騒が耳に痛い。
いつものことだが。
「オッス、姫！」
そう言って座っている俺の背中をたたくのは、
俺があまり友達だとは思われたくない奴だった。
「あれ？どうしたの姫、寝不足？」
「お前には関係ないだろ、つうかその呼び方やめろって」
「なんでだよー、ピッタリじゃないか」
そんなやりとりをしながら、嵐山 拓馬は笑いながら俺の前の席に座る。
「早乙女君」
声をかけてきたのは委員長の小野田 小百合。
「体育祭の出場書類、まだ未提出なの」
「あぁ、悪い。今日の放課後までに出すよ」
「……そう……」
そう言って委員長は隣の席に着く。
ホームルームの鐘が鳴った。

ここは風ノ上第２高校。
中の中程度の学力であればだれでも入れる公立高校。
そこそこ新しいからか、
綺麗な校内は近所おばさま方には人気らしい。

そして俺はここの２年生。
さっきの委員長はかわいくて校内でもかなり人気だし、
嵐山はスポーツ万能でやっぱり人気。
俺は取り立てて目立つこともないありふれた凡人。
なのに嵐山はやたらと俺に構う。
勘弁してくれ、目立っちまうだろうが。

「……と、いうわけで、来週から体育祭だ。
　よって今週は午前授業、午後からは準備だ。
　しっかりやれよー。じゃ、解散」
担任の声ではっと我に帰る。
いかん、またか。
最近やたらと眠くて、体を動かしてないと、すぐウトウトしてしまう。
そう思いながらも再びまぶたが重くなる……
「なあ、おい聞いたか、夢耕！？　委員長も白らしいぜ！今年の体育祭は盛り上がりそうだな！！
？　なあおい、聞いてんのか、夢耕ううううう！！」
睡魔が駆け足で去っていく。
助かった。また意識が遠のきそうだった……。
「き、聞いてる、聞いてるから。だから離れろ、近い」
あと二センチたらずで互いの鼻がつくという位置で、
まくしたて、畳みかけるように喋ることで有名な男
――花木朽哉は、悪い悪いと笑った。

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		<dc:date>2010-09-14T16:00:55+09:00</dc:date>
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		<title>第1章　日常の傍らで</title>

		<description>遠くで風狼の遠吠えが響く。
四皇月のウ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 遠くで風狼の遠吠えが響く。
四皇月のウテリウスも、もう消えようとしていた。
「はぁ、はぁ、……っう！」
金属のわずかな音がなる。
月明かりに照らされて、銀色の鎖が光る。
銀鎖をまいた左手で、血がドクドクとあふれ出す横腹をおさえる。
「っく……こんな、こんなところで、私はまだ……！」
背後の茂みが大きくゆれる。
途端、勢いよく黒い影が奇声とともに飛び出た。
「っち、まだ残ってたのか」
飛び出たそれは、まっすぐこちらへ向かってくる。
彼女は横腹を左手でおさえたまま、右手を振り上げかすかに呟く。
そして振り下ろした。
同時に風がうなりをあげる。
「ッゲ、ギャッ？」
疑問形のようなその声が、それの最後の言葉になった。
人型の黒い生物は、腰から上を先に地面に落とした。
脆く崩れ砂となり、そうさせた女の起こした残りの風に散らされた。
こんな所に小動物の気配はまったくない。
気付けば風狼の声もしなくなっていた。
あたりは心臓がとまるほど静けさに満ちていた。
と、いきなり、それまで冷徹な顔だった彼女が、
目の前で崩れるように倒れた。

「あ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！っ・・・・・」

「っっ！！」
はっと目が覚めた。
見たことのある天井。
あぁ、と落ち着く。自分の部屋の天井だ。
「……っ、まただ、またあの夢。一体なんなんだよっ……」

それから４日後、俺は身をもって知ることになる。
多くの人をまきこんで――。

 ]]>
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		<dc:date>2010-09-14T15:59:55+09:00</dc:date>
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		<title>～その３～「飛んでくる工具」</title>

		<description>　　ポーーーーーーーーッッ！
汽笛が鳴…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　　ポーーーーーーーーッッ！
汽笛が鳴る。
「リゼンブールゥ、リゼンブールゥ。」

「ふぅ～。やっとだぜ、やっぱ遠いなぁ、アル。」
「はは、兄さん　寝てるだけだったじゃないか。」
そんな会話をしながら、降り口から出てきたのはエドとアル。
「っんん～～～っ。」
かばんを置いてのびをするエド。
２人がホームから出てみると、あたりは夕日で真っ赤。
「よし！ちゃっちゃと行くか！」
エドはかばんをもって歩きだす。

　　ザザッ
一軒の家の前に立つ２人。
「・・・・」
「・・・・」
「ど、どうしんたんだよ、アル。はやく入らないのか？」
焦るエド。
「・・・兄さんこそ・・・」
少し縁了がちのアル。
はぁー・・・・・
２人してため息をする。
「今日は、なにかな、やっぱりスパナかな。」
「よ、よし。入るぞ」
　　ト、ト、ト、ガチャッ
階段をのぼりドアを勢いよく開ける。
そして叫ぶエド。
「腹減ったー。メシー！」
その瞬間、
　　ヒューン　ゴイ～ン！
いきなり物体が飛んできてエドの頭に命中！
「！！！っっっって～～～～ぇぇっっ！！！」
「に、兄さん！？大丈夫？？」
心配してあわててかけよる優しき弟。
「ｗｗｗｗｗっな、なんだぁ？今日もスパナかよっ！」
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